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天山から近くの里山へ ……アマナやツクシショウジョウバカマが咲き始めたよ……

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数日前までは、
今日(3月4日)の天気予報は傘マークであったが、
前日になって、急遽「晴れ」になった。
だったら、天山へ登らなければなるまい。

9:25頃に、天川登山口駐車場に着くと、一台の車もない。
花のない時期なので、まあ、仕方ないか……(笑)


天山を独り占めできると思い、
ウキウキしながら登り始める。


雪はすっかりなくなっている。


美しい道だ。


いつもの場所でパチリ。


山頂近くになると、所々に残雪が見られた。


もうすぐ山頂。


天山山頂に到着。


たまには、三角点も撮らなくては……
一等三角点だし。


展望もまずまず。
雲仙や多良山系の山々も見える。


あめ山も美しい。


あめ山の向こうには、
八幡岳も見える。


振り返ると、飛行機雲が……


飛行機雲を製作中。


さあ、稜線散歩。


すべて独り占め。


まだ雪もあるね~


いつものように、
彦岳が見える場所まで行って、引き返す。


いつもの場所で、早めのランチ。


ここから眺める背振山系の山々は最高だ。


本日の「天山南壁」。


秘密の散歩道を歩いてみる。
オオキツネノカミソリの葉は、この前よりも伸びていた。


踏まないように気を付けながら歩く。


天山のフキノトウも開花間近。


ツクシショウジョウバカマが咲き始めていた。


いいね~


天山のマンサクの花は、
前回来たときよりも、かなり数を増していた。


見ているだけで楽しくなる。


ズーム。
春だね~




帰路、近くの里山へ。
昨年見つけたアマナの群生地へ行ってみる。
まだ早いかなと思っていたが、
「咲いてる~!」


横から、


そして、上から。


なんて美しいんだろう。


小さな春の天使。


今日も「一日の王」になれました~


『銀河鉄道の父』(門井慶喜)……父でありすぎた(宮沢賢治の)父を描いた感動作……

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第158回(2017年下半期)の直木賞と芥川賞が、
今年(2018年)の1月16日に発表された。
直木賞の受賞作は、『銀河鉄道の父』(門井慶喜)であった。


〈読んでみたい!〉
と思い、私が住む町の図書館に予約すると、
1ヶ月ほど待って、すぐに借りることができた。
(これが都会の図書館だったら、かなり待たされたことであろう)
受け取った本を見ると、案外厚く、
408頁もあって、読み応えがありそうだった。

巻末の著者紹介を見ると、次のように記されていた。

【門井慶喜】(カドイ・ヨシノブ)
1971年群馬県生まれ。
同志社大学文学部卒業。
2003年、オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。
2015年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、
2016年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。
2016年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、
同年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。
他の著書に『パラドックス実践 雄弁学園の教師たち』『屋根をかける人』『ゆけ、おりょう』、共著『決戦! 新選組』などがある。


目次には、次のような項目が並ぶ。

1 父でありすぎる
2 石っこ賢さん
3 チッケさん
4 店番
5 文章論
6 人造宝石
7 あめゆじゅ
8 春と修羅
9 オキシフル
10 銀河鉄道の父

さっそく読み始める。
400頁以上もあったので、
〈読み終えるには、さぞ時間がかかるだろう〉
と思ったが、
改行が多く、
解り易い文章だったということもあって、
すらすらと読めて、一日で読み終えてしまった。
こういうときは、えてして、あまり満足感が得られないものであるが、
読後の充実感は十分にあり、
さすが直木賞受賞作と思ったことであった。

『銀河鉄道の父』は、
そのタイトルを見ればすぐに解ると思うが、
宮沢賢治の父を描いた作品である。


ただし、内容は、
単に賢治の父を描いているのではなく、
宮沢賢治を“父の視点”から描くことによって、
父・政次郎がどういう人物であったのかが分るような仕組みになっている。
明治29年(1896年)の岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、
昭和8年(1933年)に亡くなるまで、
主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作していている。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、
長男である彼は本来なら家を継ぐ立場であったが、
学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。


地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、
この賢治とどのように接していたのかを本書は描いている。
37歳で病没することになる賢治の短くも紆余曲折に満ちた生涯は、
父・政次郎の視点から描かれると、
これまで読んだ宮沢賢治に関する本とは違った面白さがあり、
私にとっても格別な読書体験になった。

宮沢賢治の父・政次郎は、
明治7年(1874年)2月に、岩手県花巻村に生まれている。
「あととりが生まれた」
と父の喜助は喜んだという。
12歳のときに小学校を卒業し、成績はすべて「甲」であった。
校長から、
「花巻一の秀才です」
と、折り紙をつけられるほどで、
政次郎自身も勉強が好きだったので、
「中学に進みたいです」
と、喜助にたのむが、
「質屋には、学問は必要ねぇ」
と、にべもなく一蹴される。
「わかりました」
と、政次郎は答え、
小学校卒業の翌日から、喜助について家業を学び、
二度と中学校の話はしなかったという。

宮沢賢治も父・政次郎と同じく、小学校の成績はすべて「甲」で、
校長が直々に家へ来て、
「進学させませんか?」
と勧める。
70歳になっていた(賢治にとっては)祖父の喜助は、
「質屋には、学問は必要ねぇ」
と、政次郎のときと同じ言葉を言うが、
賢治の父・政次郎は、進学を認める。
そして、異議を唱える喜助に向かって言う。
「時代が違います、お父さん。日本はもう一等国なんですじゃ」
政次郎は、賢治のみならず、
賢治の妹のトシや、弟の清六なども進学させている。
そのことによって、質屋は後に廃業することになるが、
清六が異なる業種で起業し、成功している。
明治の男というと、
喜助のような頑固一徹というようなイメージがあるが、
政次郎はそうではなかったのである。

賢治が7歳の頃に赤痢になったときは、
病院に泊まり込み、看病しているし、
中学卒業直後に疑似チフスになって手術したときにも、
ずっと付き添って看病している。
その後も、賢治や、賢治の妹のトシは度々病気になるのだが、
その度ごとに、政次郎は現地へ飛んで行き、看病するのだった。
このようなエピソードを読むと、
私は、向田邦子の父親を思い出す。
『眠る盃』に収められた「字のない葉書」というエッセイを読むと、
今でも涙が出るのだが、(皆さんもぜひぜひ)
暴君ではあったが、
「威厳と愛情に溢れた非の打ち所のない父親がそこにあった」
と、向田邦子が書いたような父親像を、
賢治の父・政次郎にも見ることができるのだ。

賢治の父・政次郎を一言で表現するならば、
本書の第1章のタイトルにもなっている
「父でありすぎる」
であろう。


夢を追い続ける賢治と度々対立するのだが、
明治の男でありながら、子供には慈愛も持って接し、
政次郎は「父でありすぎる」ことを止めなかった。

父親であるというのは、要するに、左右に割れつつある大地にそれぞれ足を突き刺して立つことにほかならないのだ。いずれ股が裂けると知りながら、それでもなお子供への感情の矛盾をありのまま耐える。ひょっとしたら質屋などという商売よりもはるかに業ふかい、利己的でしかも利他的な仕事、それが父親なのかもしれなかった。(75~76頁)

本書では、このように、
「父親であるというのは……」という問いかけの文章が度々登場する。
父親でもある私は、その都度立ち止まり、考えさせられたし、
政次郎の行いに感動させられた。

『銀河鉄道の父』の著者・門井慶喜は、

僕が政次郎に興味を持ったのは、子どものために買った賢治の伝記漫画を読んだのがきっかけです。政次郎は少ししか出てきませんが。

と語っていたが、
その学習漫画の伝記では、父・政次郎は、どちらかというと悪役だったそうだ。
本書でも、賢治の進むべき道に立ちふさがる壁として描かれているが、
読んでいくうちに、賢治の方がワガママに思えてきて、
政次郎の方に肩入れしている自分に気付く。
そういう意味で、本書は、普遍的な「父親論」としても読め、
大変興味深かった。

「お父さん」
賢治はなおも原稿用紙の塔を見下ろしつつ、おのずから、つぶやきが口に出た。
「……おらは、お父さんになりたかったのす」
そのことが、いまは素直にみとめられた。
ふりかえれば、政次郎ほど大きな存在はなかった。自分の命の恩人であり、保護者であり、教師であり、金主であり、上司であり、抑圧者であり、好敵手であり、貢献者であり、それらすべてであることにおいて政次郎は手を抜くことをしなかった。
ほとんど絶対者である。いまこうして四百キロをへだてて暮らしていても、その存在感の鉛錐はずっしりと両肩をおさえつけて小ゆるぎもしない。尊敬とか、感謝とか、好きとか嫌いとか、忠とか孝とか、愛とか、怒りとか、そんな語ではとても言いあらわすことのできない巨大で複雑な感情の対象、それが宮沢政次郎という人なのだ。
しかも自分は、もう二十六歳。
おなじ年ごろの政次郎はすでに賢治とトシの二児の父だった。質屋兼古着屋を順調にいとなんだばかりか、例の、大沢温泉での夏期講習会もはじめている。文句のつけようのない大人ぶりである。自分は父のようになりたいが、今後もなれる見込みは、
(ない)
みじんもない。それが賢治の結論だった。自分は質屋の才がなく、世わたりの才がなく、強い性格がなく、健康な体がなく、おそらく長い寿命がない。ことに寿命については親戚じゅうの知るところだから嫁の来手がない。あってもきちんと暮らせない。
すなわち、子供を生むことができない。
自分は父になれないというのは情況的な比喩であると同時に、物理的に確定した事実だった。それでも父になりたいなら、自分には、もはやひとつしか方法がない。その方法こそが、
(子供のかわりに、童話を生む)
このことだった。原稿用紙をひろげ、万年筆をとり、脳内のイメージを追いかけているときだけは自分は父親なのである。ときに厳しい、ときに大甘な、政次郎のような父親なのである。物語のなかの風のそよぎも、干した無花果も、トルコからの旅人も、銀色の彗星も、タングステンの電球も、すきとおった地平線も、すべてが自分の子供なのだ。(268~269頁)


賢治もまた「父親になりたかった」としたところに、
著者・門井慶喜の手柄があった。

長い文章を引用したが、ここに、
父・政次郎への想い、
賢治が童話を生み出すことになった要因など、
本書の語るべきすべてが要約されている。

本書を読み終えたら、
あらためて、また、宮沢賢治の詩集を読みたくなった。

賢治の生前に刊行されたのは、
詩集『春と修羅』と、童話集『注文の多い料理店』のみ。
『春と修羅』はあまり売れず、
献本した著名人からも梨のつぶてであった。
そんな中、辻潤が読売新聞で絶賛の記事を載せた。

若し私がこの夏アルプスへでも出かけるなら、私は「ツアラトウストラ」を忘れても「春と修羅」を携へることを必ず忘れはしないだらう。

私も、今年の夏に、北アルプスか南アルプスへ行くことがあるならば、
宮沢賢治の詩集を持って行こうと思った。


そう思わせてくれた『銀河鉄道の父』に感謝したい。
皆さんも、ぜひぜひ。

八幡岳 ……ヤマルリソウやホソバナコバイモなどが咲き始めたよ……

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天山ばかり登っていたら、
八幡岳がヤキモチを焼くので、
今日は八幡岳に登ることにした。
八幡岳の方にも、春の花が咲き始めているに違いない。

まず、いつもの場所で、「蕨野の棚田」を眺める。
この棚田は、春には菜の花の色に染まるのだが、
今年は春の訪れが遅く、
菜の花はまだ咲いていないようだ。


八幡岳にとりつく。


今年は雪の日が多かったので、
オオキツネノカミソリの葉も、伸びが少ない。


まだまだこれからといった感じ。


早く早く。


なんだか、奥深い山のような雰囲気。


ゆっくり登って行く。


こういう風景が大好きだ。




今年の夏が楽しみだ。


八幡岳山頂に到着。
なんだか、大きな石が増えている。(笑)
誰が運んでくるんだろう。


“八幡岳の由来”は知ってた?


展望所の方にも行ってみる。


直下の木々が伐り取られていて、
展望が良くなっていた。


ねっ。


池高原の池も見える。


作礼山や、


天山や、


唐津湾も見えた。


「蕨野の棚田」もイイが、


反対側にある徳連岳の方の棚田が、もっと広くて美しい。


ねっ。


では、今日出逢った春の花々を紹介しよう。
「八幡岳はアオモジだらけ」
と言っていいほど、アオモジが多い。


至る所で見ることができる。


ギブシの花も咲き始めていた。


よく見ると、案外美しい。


下を見ると、スミレの花が……


フキノトウもたくさん顔を出していた。


フキノトウを見ると、春を実感する。


ユリワサビも咲いてた。


いいね~


〈まだ早いかな~〉
と思っていたが、
ホソバナコバイモも姿を現していた。


保護色なので、なかなか見つからないが、


ひとつ見つかると、次々に見つかった。


緑の草の中にあると、見つけやすい。


これは姿が良いホソバナコバイモ。




これも美しい。


この日、いちばんの“お気に入り”は、これ。


八幡岳は、ヤマルリソウがたくさん咲く山であるのだが、
最も早く咲く場所に行ってみた。
まったく咲いてなくて、
諦めて帰ろうとしたとき、
一輪だけ目に飛び込んできた。


「咲いてた~」


嬉しい~


麓に下りてくると、
ツクシも見つけることができた。
今日も「一日の王」になれました~

映画『シェイプ・オブ・ウォーター』 ……映画を見る楽しみがすべて詰まった傑作……

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昨年末(2017年12月15日)に10周年を迎えた、
佐賀県内唯一のミニシアター「シアター・シエマ」がオープンしたのは、
2007年12月15日であった。
私が最初に「シアター・シエマ」を訪れたのは、
2008年1月10日で、
この「シアター・シエマ」で最初に見た映画は、
『パンズ・ラビリンス』であった。


支配人の許可を得て、館内を撮影し、
「シアター・シエマ」の紹介も兼ねて、ブログ「一日の王」にレビューを書いた。
今読むと、レビューというにはお恥ずかしいような“一口感想”であるが、
「シアター・シエマ」で最初に見た映画ということもあって、
この『パンズ・ラビリンス』は、今でも強く印象に残っている。
(初々しい10年前のレビューはコチラから)

この日鑑賞した、
ギレルモ・デル・トロ監督作品『パンズ・ラビリンス』は、
1年後、
「シアター・シエマ」で上映された作品の中から、
「シアター・シエマ」のお客さんが(年間ベストテンを)選ぶ投票で、
第1位に選出された。

シエマベストテン
【2007年12月~2008年12月】
1.『パンズ・ラビリンス』
2.『善き人のためのソナタ』
3.『サッド ヴァケイション』
4.『いのちの食べ方』
5.『ラスト、コーション』
6.『やわらかい手』
7.『ぐるりのこと。』
8.『靖国 YASUKUNI』
9.『歩いても 歩いても』
10.『トウキョウソナタ』

この『パンズ・ラビリンス』を監督したギレルモ・デル・トロの新作が、
今回紹介する『シェイプ・オブ・ウォーター』なのである。
昨年(2017年)の第74回ベネチア国際映画祭で、
金獅子賞を受賞したファンタジーラブストーリーで、
今年(2018年)3月に発表された第90回アカデミー賞では、
作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞の最多4部門で受賞したので、
もうご存知の方も多いと思う。
あの『パンズ・ラビリンス』を監督したギレルモ・デル・トロなら、
『シェイプ・オブ・ウォーター』が数々の賞を受賞するのも
〈さもありなん〉
と思い、
〈感動よ、もう一度……〉
ということで、
会社の帰りに映画館へ駆けつけたのだった。



1962年、
米ソ冷戦時代のアメリカ。
声を失くした孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、
同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に、
政府の極秘研究所の清掃員として働いている。




ある日、イライザは、
研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。




アマゾンの奥地で神のように崇拝されていたという、
人間ではない“彼”の特異な姿に心惹かれた彼女は、


周囲の目を盗んで、“彼”会いに行くようになる。


幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、
“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、
二人は少しずつ心を通わせていく。


だが、威圧的な軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)は、


彼を虐待し、実験の犠牲にしようとしていた。


それを知ったイライザは、
同僚のゼルダや、
隣人の画家ジャイルズらを巻き込み、
彼を研究所から救出しようと試みるのだった……



この映画には、
半魚人のような不思議な生き物が登場する。


この不思議な生き物である“彼”を、
ただ単に「気持ち悪い」と思うか、
マイノリティーやアウトサイダー的な存在と捉えられるかが、
評価の分かれ目になるような気がする。


なぜなら、
「Yahoo!映画」のユーザーレビューなど見ると、
絶賛するレビューと並び、
「気持ち悪い」
「楽しくなる映画ではない」
「エログロ」
「暴力と下ネタ」
「不気味な映画」
「よくわからない」
「難しい」
というような、マイナス評価もけっこう多いからだ。
『パンズ・ラビリンス』など、
ギレルモ・デル・トロ監督作品を鑑賞したことのある人なら、
問題なく映画に入り込めると思うのだが、


ギレルモ・デル・トロ監督作品に初めて触れる人には、
かなりショッキングな内容かもしれない。
まあ、映画は娯楽でもあるので、
無理して見ることはないが、
私など、こういう作品が楽しめないと、
なんだか、人生損しているような気がするのだが……如何。

自分とは異なる他者を、
認められるか、それとも憎むか……

決めつけるのがよくないと思うんだ。何かを「正しい」としたら、残りすべてが間違いになってしまう。何かを「美しい」と決めたら、残りが醜いものになってしまう。人間でも、モンスターでも、「そのもの」として存在を認めるべきだと、僕は言いたい。社会全体でそういう考えが育っていけばうれしいけどね。

と、ギレルモ・デル・トロ監督はインタビューで答えているが、

人間でも、モンスターでも、「そのもの」として存在を認めるべきだ。

という言葉が心に響くし、
本作が最も訴えたかったことでもあると思う。

半魚人のような不思議な生き物だけではなく、


イライザは、口が利けないというハンディキャップがあるし、


同僚ゼルダは黒人であるし、


隣人・ジャイルズは同性愛者であるし、


この映画の登場人物のほとんどは、
マイノリティーやアウトサイダー的な存在ばかりである。
彼らが、正義のために権力者に立ち向かい、闘う姿は、
1960年代の話でありながら、
現代と重なる部分が多いし、
むしろ、今の時代に最も合致したテーマであると言えよう。


こう書くと、
〈ちょっと小難しい映画かな〉
と思われる方もおられるかもしれないが、
そんなことはない。

昔、『大アマゾンの半魚人』という映画があったが、
本作は、その『大アマゾンの半魚人』へのオマージュでもあるそうで、
その他、
アンデルセンの「人魚姫」や、
『シザーハンズ』や『美女と野獣』など、
いつの時代も愛されてきた、種族を超えたラブストーリーの要素が含まれている。
「アマゾンの奥地で神のように崇拝されていた」生き物ということで、
私など、『キングコング』や『モスラ』の半魚人版かなと思ったほどであったし、
ファンタジーであり、ラブロマンスであり、サンスペンスであり、
ハラハラさせられたり、ドキドキさせられたり、ワクワクさせられたり、
映画を見るいろんな楽しみがすべて詰まった作品なのである。
そして、まぎれもない“傑作”なのである。
こんな素晴らしい作品を、
“食わず嫌い”して鑑賞しないのは本当に勿体ない。
ダマされたと思って、
映画館へ、ぜひぜひ。

牛尾山・鬼ノ鼻山 ……梅の花、菜の花、アセビの花などで“春”を実感する……

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冬が長かった所為で、
今年は春の花が遅れており、
楽しみにしていた梅の花も開花が大幅に遅れている。
我が家から近い牛尾山の牛尾梅林も、
昨年(2017年)は1月下旬には咲き始めていたが、(コチラを参照)
今年(2018年)は同じ1月下旬に行ってはみたものの、
まったく咲いていなかった。
満開が予想された「梅まつり」(3月3日~4日)の頃も、
イマイチの開花状況であったようだ。
では、一週間後の今日(3月11日)はどうか?
ちょっと期待しつつ、
牛尾梅林のある牛尾山へ向かったのだった。

日曜日なので、混雑が予想されると思い、
早朝に出発し、まだほとんど人のいない時間に到着。
好い感じで開花しているようだ。


地形図で確認すると、牛尾山は、小さな島のような感じだ。


最高点は、標高92m。
三角点は、標高76.1mの所にあるようだ。


駐車場は、梅林のある上部に数箇所あるが、
私は下から歩きたくて、
川べりに駐めて、出発する。
下から歩き出す者だけが見ることのできる風景。


いいね~


美しい~


ここから登って行く。


足もとには、梅の花を描いたプレートが……


ねっ。


枯れ枝に、綿雪が積もったよう。


両子山をバックに、
梅の花と、菜の花を一緒にパチリ。


梅の花の海原を、波をかき分け泳いでいく。




しばらく登り、
再び両子山をバックにパチリ。


菜の花もたくさん咲いている。


ゆっくり登って行く。


振り返ると、こんな風景。
すべて独り占め。


足もとを見ると、
ホトケノザや、


オオイヌノフグリや、


ナズナが、
梅の花に負けじと群生している。


でも、やはり、梅林の広がりの方が勝っているような……


三角点に到着。


四等三角点なんだね。


牛尾山の梅は、
江戸時代以前より植栽が始まっており、
江戸時代末期から“梅の名所”として知られるようになったようだ。


白、


赤、


ピンク、
いろんな色の梅が楽しめる。


山頂部の丘陵のような場所から見た両子山。


こんな感じで切り取ると、
“春爛漫”という感じ。


向う側へも行ってみようと、歩き出す。


ワクワクしながら到着すると、


素晴らしい風景が広がっていた。
まるで、雪景色のよう。


カメラを縦にして、パチリ。
いいね~


すこし移動して、天山を背景にして、パチリ。
天山も喜んでいる。


牛尾神社の方へ下ってくる。


小さな男の子が登っていたので、
梅の花と一緒に、パチリ。
カワイイ~


家の近くに、
こんなにも素敵な場所があるなんて、
私はなんて幸福なんだろう。


下から見た牛尾神社。


梅の香に酔いながら、下って行く。


菜の花の群落を撮っていたら、
「こんにちは~」
と声を掛けられた。


小さな女の子を連れた美しいお母さんであった。
登って行く後ろ姿をパチリ。


ふと、下を見ると、
セメントで出来た階段に、小さな足跡が……
階段を造ったときに、セメントが固まる前に小動物が歩いたんだろうね。


下山し、
斜面に広がる梅の花を再度楽しみ、


牛尾山を後にしたのだった。


次に向かったのは、裏山の鬼ノ鼻山。
まずは、天ヶ瀬ダムのダム湖をパチリ。


振り返ると、棚田の向うに天山が見えた。


憩いの森公園からとりつく。


まずは、鬼の展望所へ。


到着。


先日登った八幡岳がすぐそこに見えた。


一度下って、登り返す。


鬼ノ鼻山山頂に到着。
先客が居て、ランチ中だったので、
遠慮がちにパチリ。


すぐに“鬼のテラス”へ向かう。


ここで眺めを楽しむ。
蛇行する六角川がイイ感じ。


縦走路を少しだけ歩いてみる。


「みはらしの丘」に到着。


以前にも書いたが、
周囲の木々が伐り取られていて、
抜群に展望が良くなっている。
しばし、展望を楽しむ。


今日は、アセビの花や、


ヒサカキの花を楽しむことができた。


雰囲気の好い林の中を散策し、
帰路に就いた。
今日も「一日の王」になれました~

映画『坂道のアポロン』 ……佐世保とジャズと青春、そして佐世保弁の小松菜奈……

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映画『坂道のアポロン』の存在を知ったのは、
昨年(2017年)の5月であった。
佐世保の海で、海上タクシーの事故があったのだ。
その事故を起こした船には、
映画撮影をしているキャスト・スタッフ11名が乗っていて、
一部メディアでは、乗客が打撲したと報道していた。
(その後、病院で精密検査をして、キャストには身体に異常がないことが確認された)
その乗客の中に、私の好きな女優・小松菜奈の名があったので、
ビックリした私は、
それが、何の映画の撮影だったのかを調べたのだ。

こうして、映画『坂道のアポロン』の存在を知ったのだが、
「なぜ、佐世保で撮影していたのか?」
が知りたくなった。
そこで、原作である漫画を調べてみた。
私は、普段、漫画はほとんど読まないので、漫画に関しては全然詳しくない。
漫画『坂道のアポロン』は、
作者は小玉ユキで、
ジャズに魅了された高校生たちの青春を描き、
2012年にはテレビアニメ化もされているという。
しかも、『坂道のアポロン』の舞台は長崎県佐世保市で、
作者の小玉ユキも佐世保市出身とのこと。

漫画『坂道のアポロン』
『月刊フラワーズ』(小学館)にて、
2007年11月号から2012年3月号まで連載。
2012年5月号から9月号まで番外編「BONUS TRACK」が掲載された。
単行本は全9巻、
番外編1巻、
『坂道のアポロン』Official Fan Book (フラワーコミックススペシャル)1巻の、
全11巻が刊行されており、
『このマンガがすごい! 2009』オンナ編で1位を獲得し、
第57回小学館漫画賞一般向け部門を受賞している。

私事ながら、
私も佐世保市で生まれ育った。
だから、高校時代までの思い出は、すべて佐世保にある。
現在は佐賀県で生活しているが、
佐世保は近いし、
私の兄や姉や従兄弟たちも佐世保に住んでいるということもあって、
今でも度々訪れている。
佐世保で生活しているときにはあまり感じなかったが、
離れて生活していると、
佐世保で暮らした日々が懐かしく思い出され、
他にはない街の雰囲気があったことが、今になって解る。
佐世保には特別な愛着があるので、
佐世保を舞台にした小説や映画には、
これまた、特別な“想い”がある。
漫画であろうと、同じことである。
佐世保を舞台にした漫画なら、ぜひ読んでみたいと思い、
全11巻を“大人買い”して、一気読みした。


そして、感動した。
佐世保、ジャズ、高校時代、青春……
佐世保出身者だけが解る小ネタもあり、
『坂道のアポロン』は私にとって、特別な漫画になった。
漫画を読んでから、映画公開までが長かった。
そして、公開初日(3月10日)に、
会社の帰りに、映画館に駆けつけたのだった。



医師として病院に勤める西見薫(知念侑李)。


忙しい毎日を送る薫のデスクには1枚の写真が飾られていた。
笑顔で写る三人の高校生。
10年前の夏、二度と戻らない、特別なあの頃……


1966年、
高校生の西見薫は、
船乗りの父親の仕事の都合で、
横須賀から長崎県の佐世保市にある佐世保東高校に転校した。
転校先のその高校で、薫は、
誰もが恐れる不良、川渕千太郎(中川大志)と運命的な出会いを果たす。


ジャズのドラムを叩く千太郎と、
幼いころからピアノを弾いていた薫は、
音楽でつながり、
荒っぽい千太郎に、不思議と薫は惹かれていく。


千太郎の幼なじみの迎律子(小松菜奈)の家は、レコード店で、




地下には、ジャズ好きの父・勉(中村梅雀)が造った練習用の防音室があり、




薫と千太郎はいつもそこでセッションし、


律子と三人で幸福な日々を過ごす。


やがて薫は律子に恋心を抱くが、


律子の思い人は千太郎だと知ってしまう。
律子は千太郎に、


千太郎は大学生の深堀百合香(真野恵里菜)に、


百合香は桂木淳一(ディーン・フジオカ)に思いを寄せていて、




誰もが一方通行の恋に悩んでいた。


それでも、薫と千太郎と律子は、
切ない三角関係ながら、
ジャズを奏でる時はいつも最高だった。
しかし、そんな幸せな青春は長くは続かず、
ある日、千太郎が薫と律子の前から突然姿を消してしまう……



映画の冒頭、
セピア色の昔の佐世保の写真が映し出される。
もうそれだけで、私は胸がキュンとなってしまった。
坂道、


校舎、


教会、


眼鏡岩、


九十九島、


黒島、


外人バー街、


そしてジャズ。


すべてが懐かしく、
すべてが愛おしかった。
極め付きは、小松菜奈の佐世保弁。
佐世保弁を喋る小松菜奈を見ているだけで、
聴いているだけで、(予告編でもちょっと聴けます)
私はもう死んでしまいそうであった。(爆)


監督は、青春映画に定評のある三木孝浩。


ここ数年の監督作を挙げてみても、

『陽だまりの彼女』(2013年)
『ホットロード』(2014年)
『アオハライド』(2014年)
『くちびるに歌を』(2015年)
『青空エール』(2016年)
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年)
『先生!、、、好きになってもいいですか?』(2017年)

と、私はすべて見ているし、すべてレビューも書いている。
こういった原作モノは、
コアなファンから批判を浴びるのが通例であるのだが、
不思議と三木孝浩監督作品は好評で、
ある水準以上の作品に仕上げてくるという安心感がある。
だから、青春モノ、原作モノで、監督は三木孝浩と聞けば、
不安を抱かずに見に行くことができる。
今回の『坂道のアポロン』も安心して見ることができたし、
もう2~3回は見に行くつもりでいる。(笑)

この作品に特別な愛着を感じるのは、
私が佐世保出身ということもあるが、
作品の設定年が1966年(昭和41年)ということもある。
1966年は、私はまだ小学生であったので、
この映画の登場人物たちよりは、少し下の世代であるのだが、
風俗やファッションが懐かしく、
ことに、現代ファッションのカリスマのような小松菜奈が、
昭和のファッションに身を包んでいるだけで、もう胸キュンなのである。




1960年代のことは、
若い人よりもむしろ我々の世代の方が親近感があるし、
知念侑李や中川大志や小松菜奈などの若いファンだけでなく、
1940年代、1950年代生まれの中高年世代にも、ぜひ見てもらいたいのである。


そして、ジャズ。
佐世保には、1973年(昭和48年)より続いている「いーぜる」というジャズバーがあり、
私は帰省する度に立ち寄っていたのだが、
(昨年マスターが亡くなられたが、後継者が引き継いで営業されている模様)
この「いーぜる」のマスターが中心となって、
過去、佐世保で、九州最大のジャズフェスティバル“SUNSET JAZZ FESTIVAL”が20年間に渡り開催されていた。
駐留軍がいた佐世保は、ジャズとは深い縁があり、
佐世保が舞台の『坂道のアポロン』にジャズが登場するのは、
ごく自然なことなのである。


この『坂道のアポロン』では、
文化祭(学園祭)でのピアノとドラムのセッションのシーンが有名なのであるが、
あることで仲違いしていた薫と千太郎が、
このセッションで再び仲良くなる。
この演奏シーンが素晴らしい。
まずはアニメ版で。


このアニメでは、松永貴志が演奏しているので、上手いのは当然なのだが、
実写版では、
ピアノを知念侑李が、ドラムを中川大志が、実際に演奏している。
当人が演奏しているので、それほど上手くはないが、
素人の高校生が演奏しているという設定なので、
こちらの方が、よりリアリティーがある。


本編を見れば、
なぜその曲なのか、
なぜ律子(小松菜奈)が涙を浮かべているのかが解る。


エンドロールの時に流れる小田和正による書き下ろし曲「坂道を上って」も秀逸。
(予告編でも一部流れる)


書きたいことはたくさんあるのだが、
私自身の思い入れが大きく、
これ以上、何を言っても、信じてもらえないような気がする。(笑)
まあ、私の言うことは話半分、いや、話八分ということで……(コラコラ)

出勤前なので、この辺で終わろうと思うが、
もし、以下の条件にあてはまる方がいらしたら、
ぜひ、映画館へ足を運んでもらいたい。

①佐世保出身の方。
②(短い期間でも)佐世保に住んだことのある方。
③佐世保に旅行で行ったことのある方。
④佐世保出身の配偶者、若しくは彼氏(彼女)がいる方。
⑤いつかは佐世保に行きたいと思っている方。
⑥1940年代、1950年代に生まれた方。
⑦ジャズが好きな方。
⑧ディーン・フジオカのファンの方。(歌も披露していて、とにかくカッコイイ)
⑨知念侑李と中川大志のファンの方。(とにかく演奏を頑張っている)
⑩小松菜奈のファンの方。(とにかくキュン死しないように気を付けて)

ぜひぜひ。

近くの里山 ……アマナ、オオイヌノフグリ、ホトケノザの大群落に酔いしれる……

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3月14日(水)。
登吾留山で、調査登山をした。
調査登山をした日は、このブログにレポを書くことはあまりないのだが、
今日の場合は、調査登山後に、
家の近くの里山に咲いているアマナを見に行った。
昨年見つけた群生地なのだが、
10日前の3月4日に行ったときは、数輪しか咲いていなかった。
はたして今日はどうか……
ちょっと期待しながら見に行ったのだった。

今回は、これまでに確認できている群生地よりも範囲を広げて見てみることにした。
そして、驚いたことに、
この群生地は、思った以上に広範囲に群生していることが判った。
何気に歩いていると、
ただの土手のように見えるが、


びっしりとアマナが咲いているのだ。


こちらも、


びっくりするほどたくさん咲いている。


いやはや、


これほど咲いていると、雑草のようで有難味がない。


こうやって、一輪だけを撮ると、本当に美しい。


いいね~


アマナは、案外、横顔が美しい。


ねっ。


蕾も得も言われぬ美しさ。


太陽の光を浴びて、
アマナが大きく手を広げているようだ。




アマナだけではなく、
ホトケノザも大群落を形成している。


こちらも宝石のように輝いている。


オオイヌノフグリはホトケノザ以上の大群落。


ずっと向うまで、びっしり。


なんだか、ニリンソウの群生地みたいだ。
これだけ広がっていると、本当に美しい。


アマナも、想像以上に広範囲に群生している。


数えきれない。


こちらにも。


合計すると、数百ではない。
数千かも……


幸福感に包まれる。


きれいに花が開いて群生している場所はないかと探すと、
「あった~」


いいね~


最高!


今日も「一日の王」になれました~

映画『去年の冬、きみと別れ』……芥川龍之介の『地獄変』をモチーフにした衝撃作……

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※注意
極力ネタバレしないように書くつもりですが、
ふと記した一文がヒントを与えてしまうかもしれません。
この映画を見ることを決めている方は、
なるべく映画鑑賞後にお読み下さるようお願い致します。


芥川賞作家・中村文則の小説を映画化したサスペンスドラマである。

【中村文則】
2002年、『銃』で第34回新潮新人賞を受賞しデビュー。
2004年、『遮光』で第26回野間文芸新人賞、
2005年、『土の中の子供』で第133回芥川賞、
2010年、『掏摸』で第4回大江健三郎賞を受賞。
『掏摸』や『悪と仮面のルール』の英訳が、
ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、
2012年、2013年と2年連続でベスト10小説に選ばれるなど、
海外での評価も高い。
純文学の作家でありながら、ミステリーの手法を取り入れた作風に特徴があり、
2014年には、ノワール小説への貢献で、
アメリカでデイビッド・グーディス賞を受賞している。

原作となっている小説の『去年の冬、きみと別れ』は、
幸いなことに、私はまだ読んでいなかった。
映画を見る前に読むか、
映画を見た後に読むか、迷ったが、

《すべての人がこの罠にハマる。》
《観た人全員、ダマされる。》

という謳い文句に惹かれ、
〈ダマされたい!〉
と思い、(笑)
原作は読まずに映画を鑑賞することにした。
原作を読んでいる人にも楽しめるように脚色してあるそうだが、
できれば先入観なしで白紙の状態で楽しみたいと思い、
その他の情報もなるべく見ないようにして、
映画館へと向かったのだった。



新進気鋭のルポライター耶雲恭介(岩田剛典)。


松田百合子(山本美月)との結婚を間近に控え、


本の出版を目指す彼が目を付けたのは、
猟奇殺人事件の容疑者である天才カメラマン木原坂雄大(斎藤工)だった。


不可解な謎が残る、盲目の美女が巻き込まれた焼死事件。
この事件は世間を大きく騒がせたが、真相はわかっていなかった。
耶雲は事件を解明しようと奔走するが、
あろうことか、百合子が木原坂の標的になってしまう。


そして、いつの間にか彼は、
抜けることのできない深みにはまっていくのだった……



結論から言わせてもらうと、
私はダマされなかった。(コラコラ)
映画が始まって3分の1くらいが経過したとき、
〈たぶん、こうではないか……〉
と、大体の予測ができた。
結末まで予測できたので、
あとは、自分の推理が、映画の展開と一致しているかどうかが焦点となった。
〈違っていてくれ!〉
と願ったが、
ほぼ私の推理通りに幕を閉じた。
こう書くと、自慢しているように聞こえるかもしれないが、
それほど難しい謎ではなかったし、
ミステリーが好きな人で、
比較的多くのミステリー小説を読んだり、映画を見たりしている人なら、
案外、たやすくトリックが見破れると思う。
ダマされなかったので、つまらなかったかというと、
そんなことはなくて、
とても面白く見ることができた。
スクープを狙うルポライター・耶雲恭介を演じた岩田剛典、


猟奇殺人の容疑者・木原坂雄大を演じた斎藤工、


耶雲の婚約者・松田百合子を演じた山本美月、


「週刊文詠」のベテラン編集者・小林良樹を演じた北村一輝、


弟を溺愛する木原坂雄大の姉・木原坂朱里を演じた浅見れいな、


木原坂雄大のモデルを務めていた盲目の美女・吉岡亜希子を演じた土村芳が、
それぞれ好演しており、作品を盛り立てていたからだ。


ことに、斎藤工の存在感が際立っており、
彼なくして本作は成立しなかったと思われる。


私としては、山本美月を目当てに見に行ったのだが、
やや出番が少なく、それだけが残念であった。


映画鑑賞後に、
原作である中村文則の小説『去年の冬、きみと別れ』も読んでみた。


映画を見ていたので、
案外すらすらと読めたが、
こちらを最初に読んでいたならば、
かなり手こずったことと思われる。
一度読んだだけでは、なかなか内容が把握し切れない。
〈こういうことなのか?〉
と思考し、
二度読んで、理解した部分が多かった。
以前、このブログで紹介した『イニシエーション・ラブ』と同じく、
文章上の仕掛けによって読者のミスリードを誘い、
読者の先入観を利用し、誤った解釈を与えることで、
読後の衝撃をもたらすという叙述トリックを用いているので、
そのままでは映像化は難しい。
映画の方は、ストーリーをやや単純化し、
比較的解り易い内容に変えてある。
その分、
〈そんな簡単なことで本人が証明できるの?〉
〈そのお金や偽造○○○○○はどうやって手に入れたの?〉
など、疑問に思うシーンも多々あり、
小説を読んで理解した部分も多かった。
ただ、映像化するにあたっての考え出されたアイデアは、
原作者をも驚かしたようで、

大変素晴らしかったです。映像化不可能と言われた原作ですが、脚本を読んだときに、この手があったかと感心しました。実際に映画を見てみたら、原作者であることも忘れて、ものすごく引き込まれました。原作を読んだ人も、映画だけご覧になった方も楽しめると思います。役者の方々も大変素晴らしく、小説の登場人物たちが目の前にいるようでした。これほど映像化が難しかった作品を映画化して下さって、やっぱり瀧本監督はすごいですね。ひとりでも多くの人に見てもらいたいです。

と、中村文則がコメントを寄せているほどなのである。
瀧本智行監督と共に、脚本を担当した大石哲也も大いに褒めておくべきであろう。

この『去年の冬、きみと別れ』は、
芥川龍之介の『地獄変』をモチーフにしている。


それは、小説では、比較的始めの方に記述があり、
映画でも、木原坂雄大の本棚で耶雲恭介がこの本を見つけるシーンがあるので、
それと判る。
『地獄変』の内容を少し説明すると、

「実際に見たものしか描けない」という絵師が、
大殿から「地獄変」の屏風絵を描くよう命じられる。
地獄絵図を描くために弟子を鎖で縛り上げてフクロウにつつかせるなど、
狂人さながらの行動をとるが、どうしても仕上がらない。
「実際に女が焼け死ぬ光景を見たい」と大殿に訴えると、
大殿が用意したのは、絵師の実の娘であった。
絵師は、自分の娘が実際に焼け死んでいく様子を見ながら、
嘆くでも怒るでもなく、陶酔しつつそれを絵に描く。
その“地獄変”の描かれた屏風は凄まじい芸術性を放つが、
絵を献上した数日後、絵師は自殺する……

といった内容。
この芥川龍之介の原作を元に、
三島由紀夫が1953年に歌舞伎台本『地獄変』を書き下ろしているし、
1969年には、豊田四郎監督で映画化もされている。(絵師の娘を内藤洋子が演じ、芥川龍之介の息子の芥川也寸志が音楽を担当したことでも話題になった)
『地獄変』の内容を知れば、ちょっとゾッとするが、

カメラマンの木原坂雄大が、この『地獄変』の絵師と同じことを本当にしたのか……

が、映画『去年の冬、きみと別れ』を見るポイントのひとつになっている。
結末は衝撃的だが、
『去年の冬、きみと別れ』というタイトルの意味が解るシーンには、切なさが漂う。


映画館で、ぜひぜひ。

「肥前さが幕末維新博覧会」オープニングイベント ……手嶌葵に逢いたくて……

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今年(2018年)から始めた「逢いたい人に逢いに行く」という企画。
第1弾は、E-girlsのパフォーマーであり女優の石井杏奈、
第2弾は、女優でボーカリストの薬師丸ひろ子、
第3弾は、女優の蒼井優であった。
そして、第4弾の今回は、手嶌葵。


昨日(3月17日)から、佐賀県で、
「肥前さが幕末維新博覧会」が始まった。


明治維新150年を記念して佐賀県内各地で開かれる催しで、
「薩長土肥」の“肥前”である佐賀は、
案外知られてはいないが、
幕末維新期に国内最先端の科学技術を有し、
鎖国から開国へと向かう大きな流れの中で、
実は、明治維新の“鍵”を握っていたのだ。
そんな佐賀の歴史を知り、佐賀の文化、アート、食を楽しむ催しで、
期間は、2018年3月17日から2019年1月14日までの10ヶ月間。


そのオープニングイベントの野外ライブが、
3月17日(土)の午後、行われるのだ。
出演アーティストは、
カノエラナ(佐賀県唐津市出身のシンガーソングライター)、


佐藤和哉(佐賀県唐津市出身の篠笛奏者)、


手嶌葵(「肥前さが幕末維新博覧会」のオリジナルイメージソング「一番星」を歌っている)。


場所は、県立図書館南広場特設ステージ。
時間は、
カノエラナ(13:00~13:30)
佐藤和哉(13:30~14:00)
手嶌葵(15:00~16:00)
入場無料。
同時に、FM佐賀の公開録音も行われる。


手嶌葵は大好きなシンガーで、
映画『コクリコ坂から』の主題歌「さよならの夏 〜コクリコ坂から〜」や、
TVドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の主題歌「明日への手紙」などは、今でもよく聴いている。
今回のミニライブでは、
「肥前さが幕末維新博覧会」のオリジナルイメージソング「一番星」も披露されるとのこと。
楽しみだ~


駐車場確保のため、
朝の8時半頃に車で家を出て、
9時15分頃に会場に到着。


県立図書館南広場特設ステージでは、
オープニングセレモニーが行われており、
佐賀県知事が挨拶をしておられた。


ライブは午後からなので、
午前中は映画を見に行く。(レビューは後日)
シアター・シエマに向かう途中、
満開の桜に出逢った。
〈もう桜が咲いてるんだ~〉
とウキウキした気分になる。
桜の開花予想は、佐賀県は3月20日となっていたが、
この桜の木は標本木ではないので、開花宣言はまだなのかな?


映画を見終えて、
再び、会場である県立図書館南広場特設ステージへ。
たくさん出店している屋台で、まずは腹ごしらえ。
たこ焼き、美味しかった~
(この後、“カレー屋さんのカレーパン”も食べたよ)


13:00からのカノエラナという唐津市出身のシンガーソングライターのことは、
名前は知っていたが、歌は聴いたことがなかった。
私が会場に着いたときは、用意されていた椅子はすでに満席で、
地元ということもあるかもしれないが、すごい人気だ。
カノエラナが登場し、
いきなり歌い出した歌「カノエラナです。改」が素晴らしかった。
自己紹介の曲になっており、最初に歌うのにピッタリの曲。


ノリのいい曲ばかりで、元気が出そうな曲ばかり、
なかでも「エスカレーターエレベーター」という曲が気に入った。
ライブ終了後にアルバムを購入し、サインもしてもらった。


次に登場したのは、篠笛奏者の佐藤和哉。


こちらもカノエラナと同じく唐津市出身。
E-girlsのメインボーカル・鷲尾伶菜も唐津市出身だし、
佐賀県の中でも、唐津市出身のアーティストは多い。
海に面しているので、開放的な性格の人が多く、
どちらかというと内気な人の多い佐賀県の中では、
ちょっと異質な県民性を有しているかもしれない。
カノエラナと手嶌葵は、撮影禁止であったが、
佐藤和哉は「撮影OK」ということで、撮らせてもらった。


彼の楽曲である「さくら色のワルツ」(さくらいろのワルツ)は、
2013年NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』の主題歌「 雨のち晴レルヤ 」(ゆず)の原曲であり、モチーフとなっている。


佐藤和哉の演奏が終わり、
手嶌葵の出演まで1時間ほど間が空いていたが、
前列に席が確保できたので、座って待っていたら、


14:15頃にステージに手嶌葵が現れたので、ビックリ。
〈なぜ?〉
って思っていたら、
どうやらリハーサルをやるらしい。
野外なので、リハーサルをやる場所が他になかったのかもしれない。
後で分ったことだが、
手嶌葵は福岡県在住で、
キーボードとギターのミュージシャンは東京在住とのことで、
リハーサルの時間が必要だったようだ。
リハーサルの間も、客席に向かって博多弁で話しかけたりして、
とても気さくな方であった。
そして、背が高く(174cm)、ステージ映えする方であったし、
歌声がとてつもなく素晴らしかった。
ため息だけで歌っているように聴こえるのだが、
野外にも関わらず、遠くまで声が通り、
その澄んだ声が、体の中にまで染み込んでいくのだ。
リハーサルと本番を合わせて、1時間20分ほど、
彼女の歌声を楽しませてもらった。
もちろん、
私の好きな「さよならの夏 〜コクリコ坂から〜」や、


「明日への手紙」も歌ってくれて嬉しかった。


ライブ終了後に、CDの発売があり、
購入者を対象に握手会もあるとのことで、
ベストアルバムを購入し、握手をしてもらった。
今日も「一日の王」になれました~

午後からの天山 ……ホソバナコバイモやセントウソウがやっと咲き始めた……

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3月18日(日)
今日は、朝から町内行事の「彼岸の道づくり」(除草作業)があり、
その後も野暮用が重なり、
天山の天川登山口に着いた時には、すでに午後2時近くになっていた。
本来なら、下山する時刻であるのだが、
天山は、わが家から近く、私のホームマウンテンなので、
この時刻から登り始めても大丈夫なのだ。(みんなは真似しないでね)
ここから登り始める。


ゆっくり登って行く。


昼下がりの天山は、私一人のもの。(笑)


いつもの場所でパチリ。


もうすぐ山頂。


天山山頂に到着。
山頂に数人の登山者がいたが、
みなさん、帰り支度をされていた。


今日は、やや霞んでいて、展望はイマイチ。


それでも、あめ山だけは相変わらず美しかった。


さあ、いつものように稜線散歩。


もう誰もいない。


この稜線を歩いているときは本当に気持ちが好い。


いつものように、彦岳が見える場所まで行って、引き返す。


標高の高い天山は、
今年は、いつまでも稜線に雪があり、
春の訪れが遅く、春の花の開花も遅れているが、
ホソバナコバイモは果たしてどうか……
いちばん最初に咲く場所へ行ってみる。
あまり期待していなかったが、
「咲いている~」


まだ上を向いているものもあった。


裏側からパチリ。


きれいに花が開いたものを探すが、
なかなかない。


そして、ようやく一輪だけ見つけた。
これが、とびっきりのべっぴんさん。


いいね~


セントウソウも咲き始めていた。


やはり、開いたばかりの花が美しい。


その後、いつもの場所で3時のおやつ。


本日の「天山南壁」。


帰りに、ちょっとだけ散歩道へ。
オオキツネノカミソリの葉は、順調に育っていた。


夏が待ち遠しい。


標高が高い天山のコチャルメルソウは、やっとお目覚め。
開花には、もう少しの時間が必要。


フキノトウも、やっと数が増えてきた。


ツクシショウジョウバカマも、咲き出した。


きれいに開花したものもある。




開き始めも“花束”のようで美しい。


ずっと雪の下にいたので、やや元気がない。


これから数を増していくだろう。


天山のマンサクは、満開を迎えていた。


美しい~


ズーム。


もっと、ズーム。


今日も「一日の王」になれました~

映画『野球部員、演劇の舞台に立つ!』 ……仲間と生きる“青春”を描いた傑作……

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この映画の原作となったのは、
福岡県八女市で長年教師を務めた竹島由美子の、
10年間にわたる実践記録『野球部員、演劇の舞台に立つ!』(高文研・2010年5月刊)。


彼女が演劇部顧問をしていた頃の実話で、
演劇コンクールに出演することになった野球部のエースと、
そのチームメイトの物語が綴られている。
出版前に本作を読み、感動した中山節夫監督が、


〈なんとしても映画にしたい!〉
と動き始め、
その思いを引き継いだのがプロデューサーの鈴木一美。(写真左。右は原作者の竹島由美子)


中山監督から原作を渡され、一気読みして電車の中で泣いたという彼は、
7年前から物語の舞台であった八女市に移り住み、
粘り強く映画製作を市民に語り続けたのだという。
市民の理解と協力が得られるようになった昨年(2017年)の3月末から4月中旬まで、
八女市など筑後地区を中心に撮影され、
その後、編集を経て完成したのが本作『野球部員、演劇の舞台に立つ!』なのだ。
そして、東京と福岡で今年(2018年)の2月24日に公開されると、
なんと、なんと、
「ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)」
で、第1位を獲得。
この手のご当地映画で第1位を獲得することは、極々珍しいことなので、
〈見てみたい!〉
と、私は思った。
佐賀では、シアター・シエマで、3月17日(土)からの公開が決まっていた。
そこで、
「肥前さが幕末維新博覧会」オープニングイベント(手嶌葵に逢いに)行った日の、
映画公開初日(3月17日)10:00からの回で鑑賞したのだった。



八女北高校野球部は、
エースの望月潤(渡辺佑太朗)を中心とするチームで、


甲子園出場を期待されていた。
しかし、県大会の予選一回戦で、
8回までパーフェクトに押さえながら、
最終回、ファーストの川口和馬(川籠石駿平)のエラーから投球を乱し、


まさかの一回戦敗退となってしまう。


それ以来チームはギクシャクし出し、
キャプテンのキャッチャー・松永亮太(舟津大地)も頭を悩ませている。


国語教師の三上朋子(宮崎美子)は、演劇部の顧問。


演劇部長の島田彩音(佐々木萌詠)、


演劇部エースの中園美緒(柴田杏花)、


美術担当の川上智花(芋生悠)など、


女子部員の多い演劇部で、
OBの田川(林遣都)が書いた脚本の上演を実現させる為、


野球部から助っ人を借りることを思いつく。
三上先生からの猛アタックに、野球部員たちはタジタジとなり、
何とか止めてもらおうと野球部監督の八幡浩一郎(宇梶剛士)に相談するが、


返ってきたのは、
「野球だけの人間になるな」
との言葉。
そして、三上先生から、
「君たちに何が足りんやったか知りたいなら、演劇部に来なさい」
と言われる。


こうして、
エースの望月潤と、
キャッチャーでキャプテンの松永亮太と、
エラーをしたファーストの川口和馬の三人は、


コンクールが開催される11月まで、
野球部と演劇部を掛け持ちすることになったのだが……



中山節夫監督といえば、
『あつい壁』(1970年)
『兎の眼』(1979年)
『ヘレンケラーを知っていますか』(2006年)
『新・あつい壁』(2007年)
など、多くの人権映画や教育映画を手掛けている至極真面目な監督というイメージ。
福岡県八女市発のご当地映画で、
中山節夫監督作品と聞けば、
普通は、誰しも、
面白味の無い、教育感満載のお堅い映画と思いがちだが、
これがまったく違うのだ。
ユーモアに溢れ、笑いの絶えない映画であったのだ。
これほど笑える映画だとは正直思わなかった。
それでいて、深い感動もある。
「ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)」第1位が“納得”の傑作であった。


ご当地映画なので、
八女市の茶畑(八女茶として全国的に有名)や


イチゴの「あまおう」、電照菊の栽培畑やビニールハウスなどがロケ地として使われているのだが、
これが宣伝臭くなく、
うまく作品の中に活かされていて、感心させられた。


野球部員の若手男優たち、




演劇部員の若手女優たちも、


まっすぐな演技で好演しているし、


宮崎美子、林遣都、宇梶剛士などのベテラン俳優たちが、
その円熟した演技で、脇をしっかり固めている。




ことに、林遣都は、
2007年に映画『バッテリー』の主演で俳優デビューしているし、
この作品での演技が評価され、
日本アカデミー賞、キネマ旬報ベスト・テンなど、その年の多くの新人賞を受賞している。


本作『野球部員、演劇の舞台に立つ!』への出演は、
野球が結んだ“縁”といえるのかもしれない。


私が『野球部員、演劇の舞台に立つ!』を見た3月17日(土)の10:00の回は、
シアター・シエマでの公開初日だったので、舞台挨拶があった。


まず、プロデューサーである鈴木一美氏から、
映画製作においての苦労話やエピソードが語られ、


原作者の竹島由美子氏は、
「私の役は宮崎美子さんが演じて下さったのですが、『あんなに可愛くて優しくはなかった』と卒業生などから大ブーイングでした」
と、ユーモアたっぷりに原作者ならではの面白い話をして下さった。


最後に話された中山節夫監督は、
今年81歳になられる方と思われない力強い言葉で、
原作を読んで感動したことや、ぜひ映画化したいと思ったことなど、
本作に対する強く熱い思いを語られた。


普段、私は、この手のご当地映画はあまり見ないのであるが、
佐賀県から近い八女市が舞台の映画ということで、
親近感もあったし、評判が良かったので鑑賞したのだが、
本当に見て良かったと思った。


こうして、
仲間と生きる“青春”を描いた、
笑わせて、泣かせて、感動させられる傑作映画を見せてもらったのであるのだが、
後から考えてみるに、
これまた、しっかりとした「教育映画」にもなっていたなと、
“してやられた感”もあり、(笑)
〈さすが、中山節夫監督!〉
と思ったことであった。


本作の上映館、上映予定館(2018年3月21日現在)は、

(久留米)「T・ジョイ久留米」上映中
(熊本)「Denkikan」上映中
(佐賀)「シアターシエマ」上映中
(名古屋)「名演小劇場」上映中
(横浜)「シネマリン」2018年3月24日(土)~
(大分)「シネマ5」2018年4月21日(土)~
(宮崎)「宮崎キネマ館」2018年4月21日(土)~
(大阪)「シネ・ヌーヴォ」2018年4月21日(土)~
(鹿児島)「ガーデンズシネマ」2018年4月21日(土)~22日(日)限定上映
(新潟)「シネ・ウインド」2018年4月~

となっているが、
上映館があまり多くないので、
本作を見る機会はメジャーな映画よりは少ないが、
もし、上映期間中に、上記の映画館の近くに行く機会がありましたら、
ぜひご覧頂きたい。
大人には、
かつての青春時代を思い起こさせ、
子供たちには、
今というこの一瞬を大切に生きなければならないということに気づかせてくれるだろう。
ぜひぜひ。

映画『ちはやふる -結び-』 ……広瀬すずの魅力あふれるシリーズ最高作……

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『ちはやふる -上の句-』(2016年3月19日公開)
『ちはやふる -下の句-』(2016年4月29日公開)
の続編にして、完結編である。 
前2作については、
映画『ちはやふる』 ……「上の句」と「下の句」を同じ日に鑑賞しての感想……
と題してすでにレビューを書いている。
一部を引用する。

【上の句】【下の句】を通して見た感想はというと、
【上の句】はとてもメリハリのきいたとても面白い作品で、
5点満点でいえば4点くらいの出来栄え。
ところが、【下の句】の方は、全体的に締まりがなく、
5点満点で3点ほどの評価しかできなかった。
【上の句】の方は、
ひとつの作品として完成していて、
起承転結もきちんとなされており、
見ていてカタルシスも味わうことができた。
しかし、【下の句】の方は、
【上の句】の続編ということで、
最初のシーンからテンションが低く、
構成的にも甘さがあり、
ひとつの作品としての完成度も低かった。
しかも、【下の句】以降の続編も示唆したようなラストで、
〈おいおい、まだ続くのかよ〉
と、少し呆れてしまった。
本作の原作は漫画で、
現在31巻まで出版されている。(2016年5月7日現在)
当然のことながら、すべてを2時間で映像化することは不可能だ。
だからといって、何回にも分けて、
TVドラマのように続編を作り続けるというのも、
(漫画『ちはやふる』ファンというわけではない)普通の映画ファンとしては、
辛いものがある。(全文はコチラから)

いやはや辛辣である。(笑)
このときの予感通り、
続編としての『ちはやふる -結び-』が、
2年後(2018年3月17日)に公開されたというワケなのであるが、
映画『ちはやふる』のファンというより、
広瀬すず(の出演作はすべて見ると決めている)ファンとしては、
本作も見ないわけにはいかない。
で、雨の休日(3月21日)に、映画館へと向かったのだった。


いつも一緒に遊んでいた、幼なじみの
綾瀬千早(広瀬すず)、
真島太一(野村周平)、
綿谷新(真剣佑)。
家の事情で新が引っ越してしまい、離ればなれになってしまうが、
高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、
太一とともに仲間を集め、瑞沢高校かるた部を作った。
〈新に会いたい。会って「強くなったな」と言われたい〉
創部一年目にして、全国大会に出場した瑞沢かるた部だったが、
千早は個人戦で史上最強のクイーンに敗れ、
さらに強くなることを部員たちと誓った。
(【上の句】【下の句】のダイジェスト↓)


あれから二年……
かるたから離れていた新だったが、
千早たちの情熱に触れ、
自分も高校でかるた部を作って、全国大会で千早と戦うことを決意する。


一方、
新入部員が入り、高校三年最後の全国大会を目指す瑞沢かるた部だったが、


予選を前に突然、部長の太一が辞めてしまう。


動揺と悲しみを隠せない千早。


千早、太一、新は、再びかるたで繋がることができるのか?
今、一生忘れることのない最後の夏が始まる……



結論から言おう。
もし、
『ちはやふる -上の句-』
『ちはやふる -下の句-』
『ちはやふる -結び-』
をシリーズとして捉えるならば、
本作『ちはやふる -結び-』はシリーズ最高作であった。
『ちはやふる -下の句-』にあった“甘さ”や“緩み”が一切なく、
引き締まった秀作になっている。
上映時間の128分が「あっと言う間」に感じられ、
終わってしまうのが惜しい……と感じられるほど面白かった。

なによりも登場人物のそれぞれのキャラが立っているのが良かった。


前2作で人物説明が終わっているということもあろうが、
それぞれの特徴がよく表現されており、
かるた競技会のシーンだけでなく、
それ以外の部分でも大いに楽しめた。
綾瀬千早(広瀬すず)、
真島太一(野村周平)、
綿谷新(真剣佑)の3人はもちろんのこと、


呉服屋の娘で古典大好き少女・大江奏(上白石萌音)、
“肉まんくん”こと、西田優征(矢本悠馬)、
“机くん”こと、駒野勉(森永悠希)や、


新入部員の、
花野菫(優希美青)、
筑波秋博(佐野勇斗)もすこぶる良かった。


今、私が注目している、我妻伊織を演じた清原果耶が、
前作に増して活躍しているのも嬉しかったし、


クイーン・若宮詩暢を演じた松岡茉優や、


名人・周防久志を演じた賀来賢人も、


クールなのだが、
(原作が漫画ということもあって)時折見せる“素顔”が可笑しく、
2人共、実に巧く演じていた。


そして、広瀬すず。


『海街diary』(2015年6月13日公開)
『怒り』(2016年9月17日公開)
『三度目の殺人』(2017年9月9日公開)
などの芸術性の高い作品から、
『四月は君の嘘』(2016年9月10日公開)
『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(2017年3月11日公開)
『先生!、、、好きになってもいいですか?』(2017年10月28日公開)
などの青春映画まで幅広く演じられ、
そのどれもが素晴らしく輝いている。
本作『ちはやふる -結び-』でも、それは変わらない。
彼女を見ているだけで、幸福感に満たされる。
映画を見終わった今でも、
彼女の眼差しや声が私の脳裏に蘇えってくる。
そんな女優、めったにいない。
日本映画界に、広瀬すずという女優がいることに感謝したい。


登場人物が高校生ということで、
すでに成人してしまったキャストを使っての続編は難しいだろうが、
綾瀬千早(広瀬すず)、
若宮詩暢(松岡茉優)、
真島太一(野村周平)、
綿谷新(真剣佑)、
それぞれのクイーン戦、名人戦を見てみたかったと思ったのは、
私だけではないだろう。
観客にそう思わせるだけの力を持った秀作であった。
映画館で、ぜひぜひ。

海抜0メートルから登る烏帽子岳(佐世保) ……照葉樹林の美しき道を歩いて……

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映画『坂道のアポロン』を見て以降、
佐世保と、ジャズと、小松菜奈が、
私の心を占領してしまって、
実に困ったことになっている。(笑)
そこで、この事態を解決する方法をいろいろ考えた結果、
ようやくその解決法を見出した。
それは、
佐世保に行って映画『坂道のアポロン』を見ること。(なんじゃそりゃ)

佐世保に映画を見に行くなら、
佐世保の山にも登りたい。
登るなら烏帽子岳。
どうせ登るなら、海抜0メートルから登りたい。

ということで、
3月25日(日)の早朝、
佐世保駅裏のポートサイドパークに佇む老いた男一人。


だが、登山靴を海水に浸せそうな場所がない。


良さそうな場所は「立入禁止」となっている。


グルッと回って、海水に一番近そうな場所を出発点とする。


7:35
いざ出発。


しばらく歩くと、先ほどの場所よりも海水に近そうな場所を見つける。


係員の許可を得て中に入り、
7:40
二度目の出発。




彼方に烏帽子岳が見える。


佐世保駅の中に入る。


巨大な佐世保ゴマがあった。
子供の頃は、このコマでよく遊んだものだ。


7:49
佐世保駅を抜けて、


横断歩道を渡り、
ビルの間の道を登り始める。


ゆっくり登って行く。


やがて階段の道になる。


佐世保らしい風景だ。


車道を横切り、
再び階段の道を登って行く。


映画『坂道のアポロン』にも出てきたような道だ。


私にとっては懐かしい風景だ。
そして、現在住んでいる佐賀県ではあまり見ない風景だ。


また車道を横切り、登って行く。


広いバス道路に出る。


「白南風小学校下」バス停、


白南風小学校前を通過。


8:09
ドラッグストア「マツモトキヨシ」とスーパー「エレナ」の間の道を通る。
佐世保駅周辺の道はごちゃごちゃしているので、
山に向かって適当に登って行くが(登ってイイが)、
「白南風小学校」「マツモトキヨシ」「エレナ」を目標にして登らなければならない。


そこからしばらく歩くと、
この分岐にさしかかる。
道路標識の「烏帽子岳」は直進となっているが、
これは車への案内なので、
登山者は、右折しなければならない。


右を見ると、白い手すりの道が見えるが、
あの道こそが、烏帽子岳への登山道なのだ。


時期は過ぎてきたが、この辺りはフキノトウがたくさん見られる場所のようだ。


近づいて行く。


佐世保駅から約30分。
ここが正式な「山祇ルート」の出発点と言える場所。
道標には、「九州自然歩道」「烏帽子岳2.0km」と記されている。


8:20
あらためて出発。




「山祇ルート」に入ると、
雰囲気の好い登山道となる。


佐世保市民以外で、この道を知っている人はあまりいない。
登山のガイドブックの執筆者でさえ知らないであろう。
もし知っていたら、この山をリストから外せるワケがないのだから。


この道では、ムサシアブミを多く見かけた。


もう少し早ければ、ここでもフキノトウの群生が見られたであろう。


道標もしっかりしているので、安心して歩ける。


スミレの花が春を感じさせる。


古い石段がある。
歴史のある道のようだ。


この写真を見て、
佐世保の烏帽子岳を想像できる人はいないのではないか。


それほど素晴らしい道だ。


照葉樹林の、


美しき道。


いいね~


車道に出るが、


すぐにまた登山道へと入って行く。


楽しい道だ。


車道に出て、再びここから入って行く。


よく整備されている道だ。


烏帽子岳の山頂直下の森は、
歩道が張り巡らされていて、
自然を堪能できるようになっている。


この最後の急登はかなりキツイ。


どこまで続くのか……(笑)


もうすぐ山頂。


着いた~


9:20
烏帽子岳山頂(568m)に到着。




海抜0メートルから登る烏帽子岳(佐世保)達成。


海抜0メートルから約1時間40分、
佐世保駅から約1時間半で到着した。
これからは、佐世保駅から烏帽子岳に登ることがトレンドになるかもしれない。


山頂付近には、アオモジの木が多かった。


花も見頃であった。


9:35
靄っていて、展望はイマイチだったので、
山頂滞在15分ほどで下山開始。
往路と同じ道を下って行く。
トレランの若者や、
ゆっくり登山の中高年登山者にも数人会えたし、
市民に愛されている道だと思った。


シロバナタンポポなどを楽しみ、


途中から、教会の方へ下って行った。


ここを抜けると、「アルカスSASEBO」。


10:40
「アルカスSASEBO」に到着。
一応、ここを登山のゴールとした。




約3時間(山頂での休憩15分を含む)の山歩きであった。
佐世保駅から往復3時間なら、
手軽に烏帽子岳登山が楽しめるのではないか……と思った。


これから、アーケード街の方へ向かい、
映画『坂道のアポロン』を見に行くつもり。
その記事は、また後日。
お楽しみに~

近くの里山から、裏山(鬼ノ鼻山)へ ……ヒトリシズカやシュンランが咲き始めた……

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3月28日(水)
今日は、午前中は用事があったので、
午後からの行動となった。
まずは、近くの里山へ。
桜が満開とのことで、見に行くと、


見事に咲いていた。


いいね~


美しい~


桜の花を存分に楽しんだ。


目を下に向けると、スミレの花がたくさん。


いろんな種類のスミレが咲いている。


あっちにも、


こっちにも。


キランソウも群生している。


色違いのキランソウも……


ハナイバナも咲いていた。


よく見ると、ヤマルリソウに似ている。


そして、この山には、ヒトリシズカが咲いていた。
天山のヒトリシズカは、標高が高いので4月の中旬頃に咲くが、
この丘のような里山では、もう咲いているのだ。


このように葉がすでに開いたものもあった。


これは、ちょっと開き過ぎかな。(笑)


やはり、これくらいが可愛いし、


好もしい。


次に向かったのは、裏山である鬼ノ鼻山。
まずは、天ヶ瀬ダムの桜を見に行く。


こちらも、ほぼ満開。


それなのに、誰もいない。
独り占め状態。


憩いの森から入山する。


桜と思いきや、
驚いたことに、コブシやハクモクレンなど、


モクレン科の白い花がたくさん咲いていた。


白い花が、青空に映える。


美しい林にも、白い花が散りばめられていて、
まるで、雪が降っているようだ。


美しい。


美しい林を抜けたら、
鬼ノ鼻山の山頂へ。


山頂に到着。


すごく好い眺めだ。


鬼のテラスへ移動する。


蛇行する六角川が美しい。


“みはらしの丘”へ向かう。


ここからの眺めも最高!


では、鬼ノ鼻山で出逢った花を少しだけ紹介しよう。
まずは、ヒメオドリコソウ。
大群生していた。


よく見ると、カワイイ花だ。


アセビの花も咲いていた。


こちらもカワイイ~


センボンヤリも開花していた。


楽しみにしていた花なので、嬉しい。


太陽の光を浴びて、全開している。


里山の天使だ。


いいね~


帰路、シュンランの群生地へ寄ってみた。
まだ蕾が多かった。


開花したシュンランはないかと探してみると……
「あった~」


いや~、嬉しいね~


裏山で見るシュンランは、最高!


今日も「一日の王」になれました~
(って、シュンランが手を振っているように見えない?)

佐世保で鑑賞した二度目の『坂道のアポロン』 ……小松菜奈にまた逢いたくて……

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3月25日(日)、
海抜0メートルから登る烏帽子岳(佐世保)を終えて、
三浦町教会のある方へ下山した。


この教会は、昔から佐世保のシンボル的な建物で、


漫画『坂道のアポロン』では、何度も登場する。


教会の裏手からだけでなく、


正面からも描かれている。




こうして、
佐世保の街は、『坂道のアポロン』の漫画や映画で描かれた場所が随所にあるので、
次に来たときには、ロケ地巡りなどもしてみたいと思っているのだが、
今日は、映画を見に来たので、
映画館のある繁華街の方へ向かう。
アーケード街も、『坂道のアポロン』一色。


佐世保で唯一の映画館「シネマボックス太陽」に到着。


入口も、


エレベーターも、『坂道のアポロン』一色。


私が子供の頃は、
東宝、東映、日活、松竹、大映などの邦画館の他に、
カズバ、ピカデリー、セントラルなどの洋画館があったが、
今では、シネコンの「シネマボックス太陽」一館のみになってしまった。
この「シネマボックス太陽」は、かつては「太陽劇場」といって、
佐世保では後発の映画館であったが、
この映画館だけが生き残っている。
実は、この映画館には、思い出があって、
まだビルではなかった40数年前の「太陽劇場」で、
私はアルバイトをしたことがあるのだ。
切符切りや売店で物を売ったりしていたのだが、
ここへ来ると、それが鮮やかに思い出される。


映画『坂道のアポロン』は、3月10日に公開されたが、
公開日より3週間ほどが経過したので、
どの映画館も、1日2回上映くらいに上映回数が減ってきている。
だが、「シネマボックス太陽」では、今でも1日5回上映が続いている。(3月31日現在)
私が鑑賞した3月25日も、
公開日から2週間が経っていたにもかかわらず、
大勢の観客が席を埋めていた。
大抵のシネコンは指定席であるが、
「シネマボックス太陽」は、シネコンとしては珍しく自由席で、
私は、やや前の方の席で鑑賞した。
中学生、高校生が多かったが、
中高年世代も少なからずいて、
この映画の人気のほどが窺がえた。
これが分っただけでも、
佐世保が舞台の映画を佐世保で鑑賞する意味があったというものだが、
それだけではなく、映画上映前に、
「シネマボックス太陽」で鑑賞している人に向けての、
知念侑李と中川大志と小松菜奈によるメッセージ映像が流されたのだ。
これは、佐世保以外の映画館では見ることのできないものであった。
佐世保で鑑賞して本当に良かったと思った。


『坂道のアポロン』は二度目の鑑賞であったが、
映画の展開はすべて分っているのに、
最後まで楽しく見ることができた。
今回は、小松菜奈を中心に鑑賞したので、


一回目では気が付かなかった衣裳、演技、表情など、


二度目だからこその楽しみもあり、


〈何度見てもいいな~〉
と思ったことであった。


2ヶ月後には、
小松菜奈の主演作(大泉洋とのW主演)『恋は雨上がりのように』(2018年5月25日公開予定)が待っている。


こちらも楽しみ。


4月4日(水)からは、佐世保の島瀬美術センターで、
『坂道のアポロン』展も始まるので、
こちらにもぜひ行きたい。(4月15日まで)
これからも佐世保に行く機会が増えそうである。


八幡岳 ……馬場の一本桜(山桜)、ジラカンス桜、ホソバナコバイモなどを楽しむ……

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家から近い、
馬場の一本桜(山桜)と、
ジラカンス桜が、
ほぼ満開との情報が飛び込んできた。
昔はほとんど無名の桜であったが、
ここ数年、すっかり有名になって、
県外からも観光客が押し寄せるようになった。
お昼頃に行ったら、桜よりも人を見に行くことになるやも知れぬ。
ここは地の利を活かして、早朝に桜を愛でることにした。

朝早く出発しようと思ったが、
(優香が出演していたので)「ボクらの時代」を観ていたら、少し遅くなってしまった。
それでも7:50には車で家を出て、
8:10頃には、馬場の一本桜(佐賀県武雄市武内町真手野21316)に到着した。
到着して、ビックリ。
すでに多くの車が道路脇に列をなしていたのだ。
それでもどうにか駐車できる場所を確保し、
桜の場所へ。
「おっ、満開だ~」


少し離れた場所から、菜の花を入れてパチリ。


素晴らしい!


カメラを縦にしてパチリ。


しばらくここから動けなかった。


右の方へ移動する。


真横からパチリ。
圧倒的な存在感。


真後ろへ回る。
昔はなかったが、
ここ数年、桜の後ろにも菜の花が植えられている。


少し引き気味に撮るため、後ろに下がる。


もっと下がる。


いいね~


馬場の一本桜を存分に楽しみ、


八幡岳の中腹にあるジラカンス桜(武雄市若木町本部14500-1)へ向かう。


ジラカンス桜に到着。
ここの桜は、池のほとりも咲いているのが特徴。
ジラカンスとは変わった名前であるが、
近くの地名・白観巣(じらかんす)にちなみ名付けられたとか。


この桜の近くにも、菜の花がある。
菜の花越しにパチリ。


池のほとりに下りて、


桜を撮る。
この桜も存在感がある。


池のほとりのあるのだから、
水面に映った逆さジラカンス桜と一緒に、
シンメトリー気味にパチリ。
いいね~


※4月5日までは、夜(午後7時から9時)に、ライトアップされています。


ジラカンス桜の傍に、
「八幡岳に登ろう!」
と書かれた看板があった。(笑)


八幡峠よりとりつく。
やや味気ない植林帯の道を登る。


足もとにはユリワサビの花が……


美しい~


やがて、私の好きな自然林の道となる。


祠のある岩や、


石清水が流れ落ちる場所を通過し、


オオキツネノカミソリの葉が生い茂る道へと入って行く。


この道を歩くのが大好きだ。


おっ、ヤマルリソウだ。


カワイイ~


思った以上に、オオキツネノカミソリの葉が生えている。


自然が創った美しき庭園。


いいね~


ここは登山道なのだが、
道が判別できないほどオオキツネノカミソリの葉が茂っている。


陽が差してきて、


美しく輝く。


こういう道を歩くことのできる歓び。


幸福感。


おっ、ホソバナコバイモだ。


一際美しい花をパチリ。


来て良かった~


美しい森を存分に楽しみ、


山頂へ向かった。


もうすぐ山頂。


八幡岳山頂に到着。
天気は悪くないのだが、
靄っていて、遠望が効かない。


展望所の方へ移動する。


女山(船山)は見えるが、


天山や作礼山はぼんやりとしか見えなかった。


下山し、
八幡岳に別れを告げ、


新緑を見ながら家路に就いた。
今日も「一日の王」になれました~

映画『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』 ……女性映画の傑作……

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昔からメリル・ストリープが好きで、
彼女が出演する映画は極力見るようにしている。
3月30日(金)に公開されたばかりの『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』も、
メリル・ストリープが主演しているので、見たいと思っていた。
共演はトム・ハンクスで、
監督は、かのスティーブン・スピルバーグ。


内容は、ジャーナリストたちの命懸けの戦いを描いた作品とのこと。
弥が上にも期待は高まるではないか!


で、公開初日に、
会社の帰りに映画館に駆けつけたのだった。



1971年、
ベトナム戦争が泥沼化し、
アメリカ国内には反戦の気運が高まっていた。


国防総省は、ベトナム戦争について客観的に調査・分析する文書を作成していたが、
戦争の長期化により、それは7000枚に及ぶ膨大な量に膨れあがっていた。
ある日、その最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」が流出し、
ニューヨーク・タイムズが内容の一部をスクープした。


ライバル紙のニューヨーク・タイムズに先を越され、
焦るワシントン・ポスト紙。


夫の死で、ワシントン・ポストのトップを引き継いだ、
アメリカ主要新聞社史上初の女性発行人キャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)と、


編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)は、


残りの文書を独自に入手し、全貌を公表しようと奔走する。


真実を伝えたいという気持ちが彼らを駆り立てていた。


しかし、ニクソン大統領があらゆる手段で記事を差し止めようとするのは明らかだった。
保守的なワシントン・ポストの役員たちは猛反対。


会社を失い、全社員が職を失うかもしれない。
政府を敵に回してまで、本当に記事にするのか?
報道の自由、信念を懸けた“決断”の時は近づいていた……



いや~、面白かったです。
「これぞアメリカ映画」っていう感じで、
シンプルで解り易い映画であった。
スティーブン・スピルバーグの作品といえば、大まかに言うと、
『未知との遭遇』や『E.T.』などの一種のファンタジーか、
『シンドラーのリスト』や『リンカーン』などの歴史的な事実に基づいた作品かに二分されるが、
本作『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』は後者に区分されるものの、
これまでのような“歴史的な事実に基づいた作品”にみられた複雑さやあざとさがなく、
構造がシンプルで、極めて単純化された作品であった。
これは、スティーブン・スピルバーグが、
トランプ政権誕生の瞬間に映画化しようと決意し、
9ヶ月ほどの短期間で創り上げたことと関係している。
トランプをニクソンになぞらえ“完全悪”として描き、
事の本質を極めて解り易く観客に差し出しているからだ。

似たような作品に、
一昨年(2016年4月15日)公開された『スポットライト 世紀のスクープ』があるが、
こちらは、ボストン・グローブ紙の記者たちが、
カトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を映画化したものであったが、
とても面白くて、このブログにもレビューを書いている。(コチラを参照)
この『スポットライト 世紀のスクープ』で第88回アカデミー賞脚本賞を受賞したジョシュ・シンガーが、
本作『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』でも脚本も担当しているのだ。
(脚本にはもう一人リズ・ハンナという若い女性も参加している)
面白くならないワケがない。


1960年代のジャーナリズムといえば、“男の世界”であり、
“男の戦場”というイメージであるが、
本作『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』は、
女性経営者が少なかったこの保守的な時代に、
勇気ある行動で時代を切り開いていく、
キャサリン・グラハムという女性を主役に描いた“女性映画”であった。
そう書けば、とても勇敢な女性を思い浮かべるかもしれないが、
このキャサリン・グラハムは違う。
自殺した夫のあとを仕方なく引き継いだだけの、
これまで経営とは無縁だった主婦であるからだ。
“男の世界”である新聞業界では彼女の意見は軽んじられ、
彼女自身も大いに悩み、なかなか決断することができない。
経営者としての経験も自信も乏しい彼女が、
国家権力との対立によって“会社の存亡の危機”に直面し、
人生最大の決断をすることによって、
女性として、人間として“成長”していく姿を本作は描いているのだ。


このキャサリン・グラハムを演じているメリル・ストリープが実に好い。


演技が上手すぎる故に、ややもすれば「あざとい」と言われたりしてきたが、
この『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』では、
これまでのメリル・ストリープとはまったく違った演技をしていて驚かされた。
実に淡々と演じているのだ。
物足りないほどに……(笑)


編集主幹ベン・ブラッドリーを演じたトム・ハンクスも、
これみよがしな演技はせずに、こちらも極力抑えた演技をしている。


だから、メリル・ストリープとトム・ハンクスの“演技合戦”を期待していた人には、
ちょっと拍子抜けするかもしれない。
だが、これが好いのだ。
あとからジワジワくるのだ。(笑)
あとになって、あれはまさに“演技合戦”であったのだと気づかされるのだ。


ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)の妻や、


その娘も重要な役であったし、


ラスト近くで、裁判所で若い女性がキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)に話しかけるシーンも印象に残る。
そして、裁判所からキャサリン・グラハムが出てくるラストシーンでは、
深い感動があった。
私が“女性映画”という所以である。
それを確かめるためにも、映画館へぜひぜひ。

海抜0メートルから登る隠居岳 ……ふるさとの山、なつかしい山……

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4月4日から佐世保で「坂道のアポロン展」が始まった。(4月15日まで)
4月4日(水)はちょうど私の公休日だったので、
「坂道のアポロン展」の初日に行ってみたいと思った。
3月25日に佐世保に行ったときは、
「海抜0メートルから登る烏帽子岳」をやった。
今回も山登りをしようと思い、
「海抜0メートルから登る隠居岳」をやることにした。
登ったあとは、
烏帽子岳の方へ縦走し、
3月25日に利用した「山祇ルート」で佐世保の繁華街の方へ下山することにする。

4月4日(水)の朝7時過ぎ、
早岐瀬戸に佇む老いた男一人。


おっ、階段があった!


“出発の儀式”完了。
7:18
出発。


地図では川のように見えるが、
「早岐瀬戸」と言って、海なんだよね。
その証拠に、潮の香がプンと鼻をつく。


早岐駅前の通りを歩いて行く。


陣の内川に出合ったところで右折し、
川に沿って歩いて行く。


国道35号線に出合うので、
右折して、しばらく歩く。


向かって右側に、「空」というレストランがある。
とても美味しい料理を提供してくれる店で、
値段もリーズナブル。
ぜひぜひ。


7:45
「平松入口」の信号から左折する。


西九州自動車道が見えてくる。


西九州自動車道の下を潜って歩いて行く。




この四つ角は、直進。


道標もあった。


ツクシや、


オドリコソウを見ながら高度を上げていく。


眺めの良い場所で、早岐方面を見る。
かなり歩いてきた。


平松の集落が見えてきた。


分岐で迷うような場所には、道標があって助かる。


隠居岳が近くなってきた。




味気ない道に見えるが、


ムラサキケマンや、


キケマンなどが咲いていて、飽きない。


9:11
ウォーカーズ・パークに到着。


隠居岳にとりつく。


とりつき点には、スミレの花がいっぱい。


植林帯をゆっくり登って行く。


山桜が満開であった。


ツツジ園に到着。(ツツジ園とは言っても、自生のヤマツツジです)
5月下旬には、ここも赤く染まっていることだろう。


赤土の急登にあえぎつつ登り、


9:40
隠居岳山頂(669.8m)に到着。




早岐瀬戸から約2時間20分で、
「海抜0メートルから登る隠居岳」達成。




佐世保生まれの私にとっては、ふるさとの山であり、
高校時代には烏帽子岳よりも頻繁に登っていた山である。


少し休憩し、
行動食を食べたあと、
9:46
烏帽子岳方面へ出発。


縦走路とは言っても、舗装された道である。
だが、私にとっては懐かしい道である。




烏帽子分校がなくなっていた。


新緑が美しい季節になってきた。


10:58
親子池(私の子供の頃は「親子堤」と言った)の横を通過。


この分岐は左へ。(右は烏帽子岳山頂方面)


ここから左折。
烏帽子岳の「山祇ルート」を使って、
佐世保の繁華街の方へ下山する。


私の好きな照葉樹林帯にさしかかる。




この辺りが私のお気に入りの場所。


いいね~


照葉樹林の案内板から少し下った辺りで、
ムサシアブミや、


フデリンドウに出逢った。




烏帽子岳は花の少ない山という印象があったが、
探せば案外多くの花があるのかもしれない。


先日と同じく、カトリック三浦町教会の方へ下ってきた。


アルカスSASEBOの前を通過。


アーケード街へ入って行く。


12:12
今日の目的地「島瀬美術センター」に到着。




早岐瀬戸から約5時間の歩き旅であった。


このあと、
「坂道のアポロン展」を見学し、
映画館に移動して、
三度目の『坂道のアポロン』を鑑賞したのだが、(笑)
その話は、また後日に……
今日も「一日の王」になれました~

「くまもと復興映画祭2018 Powered by 菊池映画祭」……薬師丸ひろ子に逢いたくて……

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今年(2018年)から始めている「逢いたい人に逢いに行く」という企画。
これまでに、
E-girlsのパフォーマーであり女優の石井杏奈(1月27日)、
女優でボーカリストの薬師丸ひろ子(2月11日)、
女優の蒼井優(2月26日)、
ボーカリストの手嶌葵(3月17日)
に逢ってきた。
そして、第5弾となる今回は、またしても薬師丸ひろ子。

2月11日に薬師丸ひろ子に逢えた喜びで、
すっかり満足してしまって、
薬師丸ひろ子のファンサイトなどを見ることをしなくなっていたら、
ある日、なんとなく見たそのファンサイトで、
薬師丸ひろ子が「くまもと復興映画祭2018 Powered by 菊池映画祭」(4月6日~8日)に来ることになっていることを知った。

「くまもと復興映画祭2018 Powered by 菊池映画祭」とは何かというと、
もともと10数年前より開催されていた「菊池映画祭」というものがあったのだが、
2016年(平成28年)4月に起きた「熊本地震」により、
熊本地震の被災者を映画で元気づけようと、
前身の「菊池映画祭」と合体する形で、
昨年(2017年)、「くまもと復興映画祭 Powered by 菊池映画祭」が誕生したのだ。
熊本県出身の行定勲監督が映画祭のディレクターを務めており、
第1回目の昨年(2017年)は、
妻夫木聡、佐藤健、高良健吾らをゲストとして招き、
『ぼくたちの家族』
『ジョゼと虎と魚たち』
『春の雪 35mm Film』
『世界から猫が消えたなら』
などが上映された。

2回目となる今回は、
薬師丸ひろ子、斎藤工、倉科カナ、高良健吾らがゲストとして招かれおり、
特に、薬師丸ひろ子については、
「特集・薬師丸ひろ子」として、
『メイン・テーマ』(4月7日上映)
『Wの悲劇』(4月7日上映)
『今度は愛妻家』(4月8日上映)
の3作品が上映されるという。
2010年(1月16日)公開の映画『今度は愛妻家』は、
8年前の映画であるし、
このブログにもレビューを書いているが、
『メイン・テーマ』(1984年)
『Wの悲劇』(1984年)
は、久しくスクリーンでは見ていない。
だから、
『メイン・テーマ』と『Wの悲劇』が上映される4月7日(土)に行きたいと思い、
チケットを予約しようと、
「くまもと復興映画祭2018 Powered by 菊池映画祭」のHPで確認すると、
すでに前売券は完売していたのだった。(ガックシ)
薬師丸ひろ子だけでなく、斎藤工もゲストして登場するので、
斎藤工ファンの人たちが買い占めたのではないだろうか?(コラコラ)
〈薬師丸ひろ子のファンサイトをもっとチェックしておくべきだった……〉
〈2月24日から発売されていたので、もっと早くに気付いていれば買えたかもしれないのに……〉
と悔やんでも、「後悔先に立たず」であった。

4月7日(土)の前日の4月6日(金)、
仕事の休憩時間に、
〈映画祭は今日から開催されるんだな~〉
と思いながら、
何気なく「くまもと復興映画祭2018 Powered by 菊池映画祭」のHPを見てみると、
2018年4月3日のNEWS欄に、
「全日程の当日券販売致します」
と書いてあるではないか!
〈もしかして……〉
と思って4月7日(土)の休みを取得していた私は、
狂喜乱舞したのは言うまでもない。(爆)

「くまもと復興映画祭2018 Powered by 菊池映画祭」は、
会場が日程によって異なっており、

4月6日(金)
市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
熊本城二の丸広場(※荒天時中止)

4月7日(土)
菊池市文化会館
菊池松囃子能場
望月旅館大広間

4月8日(日)
市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)

と、なっており、
私が見たい映画が上映される4月7日(土)の会場は、菊池市文化会館。


早朝に車で家を出て、
高速を使わずに下道を行ったにもかかわらず、
2時間弱で会場に着いた。(案外近かった)


着いたのは午前5時半頃だったのだが、
会場にはもう映画祭のスタッフがいて、
当日券の整理券をもらった。
整理券の番号は、7番。
「一番乗り」だと思ったが、
この時間に、もうすでに、私の前に6人が来ていたのだ。(笑)
当日券の発売は7時半からとのことで、
それまでは車で待機。(寝てた)
当日券の人は、前売券を買っていた人の後からの入場ということで、
〈あまり良い席は確保できないかな~〉
と思っていたが、まずまずの席をゲットできた。








9:05
新鋭作品上映
藤元明緒監督作品『僕の帰る場所』
第30回東京国際映画祭(2017) アジアの未来部門に選出され、
作品賞(グランプリ)と特別賞(監督賞)のダブル受賞している。


祖国を離れ日本に暮らす4人のミャンマー人一家。
母国語を話せず日本人のように暮らしている幼い兄弟。
ミャンマーに帰りたいと日々考えている母。
生活のため、仕事のある日本から離れられない父。
そんな彼らのもとに届いたある通知が家族の運命を変えていく……


主演の家族をはじめ、
出演者の多くに演技経験のないミャンマー人キャストを起用しているので、
一見、ドキュメンタリー映画のように見えるが、
それぞれがちゃんと演技をしているという驚きの映画。
映画終了後、藤元明緒を招いてのティーチイン。
詳しく書くと長くなるので、いずれ機会を見つけてレビューを書きたい。


12:00
斎藤工監督作品『blank13』(2018年2月3日公開作品)


世界の映画祭で絶賛され数々の賞に輝いた斎藤工の監督デビュー作。
人間が最期の別れの時に知る人生や感じる想いを描いた感動作で、
高橋一生、リリー・フランキー、神野美鈴などの他に、
斎藤工自身も出演している。


ギャンブルに溺れ、借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父(リリー・フランキー)が、
余命3か月で見つかった。
母(神野三鈴)と兄(斎藤工)は見舞いを拒否したが、
コウジ(高橋一生)は子供の頃キャッチボールをしてくれた優しい父を思い、入院先を訪ねる。
しかし金を工面している父の姿に失望し、
家族の溝は埋まらないまま、父はこの世を去った。
葬式に参列するのは、数少ない友人たち。
彼らが語る父のエピソードによって、
コウジは家族の誰も知らなかった父の真実を知り、
13年間の空白が少しずつ埋まっていく……


この映画も、上映終了後、斎藤工監督を招いてのティーチインがあった。
その内容も含め、この作品についても後日レビューを書きたい。
(俳優たちの写真撮影は禁止だったので、以降の写真は撮っていない)

13:50
映画『メイン・テーマ』(1984年)


森田芳光が脚本と監督を務め、
薬師丸ひろ子が主演を果たした映画。
相手役の野村宏伸はオーディションで選ばれた新人だった。
映画と同題の主題歌が大ヒットしたことでも知られている。

小笠原しぶき(薬師丸ひろ子)は、
マジックを修行している大東島健(野村宏伸)と出会い、
彼の車で旅に出ることにした。
しぶきの目的地は大阪、
健の目的地は沖縄だ。
気の合わない二人は、旅の途中で喧嘩ばかり。
浜松で健の叔父のマジックショーがあり、しぶきはその手伝いをする羽目に。
しかし健はショーの間、伊勢雅世子(桃井かおり)というジャズシンガーと会っていた。
雅世子にぞっこんな健を見て、しぶきは嫉妬する。
車は大阪に着き、二人は別れた。
しかししぶきは健のことが気にかかり、姉夫婦が住む沖縄へ旅立っていく。


この映画上映の後も、
まず、薬師丸ひろ子を招いてのティーチインがあった。
行定監督が、
「角川映画の中でも私はこの作品が一番好きだ」
と語るほどイチオシの映画だそうで、
尊敬する森田芳光監督のウィットに富んだ演出と、
薬師丸ひろ子の“永遠の輝き”とも言うべき美しさが堪能できる作品だ。


薬師丸ひろ子の主演作というと、
アイドル映画のようなイメージを持つ人が多いと思うが、
実際はかなり違っている。
『セーラー服と機関銃』で相米慎二監督がやったことと同じように、
森田芳光監督も『メイン・テーマ』で、かなりハチャメチャなことをやっている。
「でも、素晴らしい映画」とのこと。
薬師丸ひろ子自身も、後ろの方の席で映画を見ていたそうで、
「こんな映画だったんですね」
「太田裕美さんは、私のお姉さんの役だったのですね!」
と観客の笑いを誘う。
「当時はすごい人気でしたよね」
との質問に、

撮影現場では、「クズだ」「ゴミだ」「チリだ」と罵倒され続けていたので、自分としては人気があるということがリアルには感じられなかった。ファンの方々のイメージと自分のイメージがかけ離れ過ぎていたように思う。もっと浮かれても良かったのかな?

と答えていた。
映画『メイン・テーマ』については、

篠山紀信さんから、
「本当に素晴らしい作品。この映画がどんなにすごい映画か、判っている?」
と訊かれたことがある。

とか。
また、共演した桃井かおりが、なぜ『メイン・テーマ』に出演したかというと、

桃井かおりさんが松田優作さんから、
「森田芳光監督はすごい監督だから、ぜひ出演してみたら」
と言われたことで、出演を決めたそうです。

など、いろんな話を次々に披露してくれた。
途中から、斎藤工と高良健吾も加わり、
「僕たちの中の青春映画」というテーマで、
スペシャル・トークショーとなり、
こちらの話も面白かった。

トークショーの最後に、
行定監督から、薬師丸ひろ子に、
「少しだけでもイイので、歌声を聴かせてもらえませんか?」
とふられ、
「じゃ、歌いましょうか!」
と応じられたので、ちょっとビックリ。
まさか、映画祭で、薬師丸ひろ子のナマの歌声が聴けるとは思わなかった。
観客にリクエストを訊かれ、「Woman "Wの悲劇"より」に決定。


「照明を暗くして下さい」とスタッフにお願いをし、
カラオケの用意もなかったので、アカペラで歌い出された。
その素晴らしい歌声に、
私の目には自然と涙があふれ、
躰が震えるほど感動した。
行定監督は、
「少しだけでもイイので……」
とお願いしたのだが、
薬師丸ひろ子は、なんと、
「Woman "Wの悲劇"より」をフルコーラス歌ってくれたのだ。
歌い終わったときには、
観客はもちろん、
舞台にいる行定監督も、斎藤工も、高良健吾も、
会場にいる映画祭のスタッフも、
すべての人がスタンディングオベーション。
拍手が鳴り止まなかった。


行定勲監督作品『今度は愛妻家』(2010年)の撮影後の打ち上げのとき、
誰もが薬師丸ひろ子に歌って欲しいと思っていたが、言い出せずにいたときに、
気配を察して彼女が歌ってくれたのもこの曲で、
そのときも、その場にいた全員が泣いていたそうだ。
とくに号泣していたのが、石橋蓮司だったそうで、
今年(2018年)の薬師丸ひろ子のコンサートのときにも、
(東京の方に)聴きに来ていたそうだ。
行定監督も、私と同じ大阪でのコンサートに行ったとのこと。
誰にとっても、この「Woman "Wの悲劇"より」は特別な曲であったのだ。

16:40
この日、最後の上映作品『Wの悲劇』


薬師丸ひろ子の代表作であり、
澤井信一郎監督の演出と、
女の生々しい感情を魅せる薬師丸ひろ子の演技が素晴らしい。
『セーラー服と機関銃』と並ぶ薬師丸ひろ子主演作品のまぎれもない傑作である。


薬師丸ひろ子のナマ歌を聴いたあとだったので、
感動もひとしおであった。
この映画についても、
いつか本格的に論じてみたいと思う。


薬師丸ひろ子の主演作で、
スクリーンで見たいと思っていた2作品を見ることができ、
薬師丸ひろ子の話が聴けて、
彼女のナマ歌まで聴くことができた。
あのアカペラで歌った「Woman "Wの悲劇"より」は、
薬師丸ひろ子のファンのみならず、
「くまもと復興映画祭2018 Powered by 菊池映画祭」においても、
きっと伝説になるに違いない。
その伝説になる瞬間を目撃できた幸運に感謝したい。
今日も「一日の王」になれました~

天山をちこち ……バイカイカリソウやナガバノスミレサイシンなどが咲き始めた……

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4月8日(日)
前回、天山に登ったのは、3月18日(日)であった。
そのときは、ホソバナコバイモが咲き始めていたのを確認した。
3週間後の今日は、どんな花が咲き始めているだろう?
天山の、
あっち、こっち、
いや、あちら、こちら、
いや、あちこち、
いや、「をちこち」を彷徨いながら、存分に楽しもう。
まずは、山頂へ。


晴れてはいたのだが、
靄っていたので、遠望は効かなかった。




それでも、すぐそこにある「あめ山」は美しかった。


さあ、稜線散歩へ。


ホソバナコバイモは、ピークを迎えていた。


目移りするほどたくさん咲いていた。


残雪と一緒にパチリ。




美しい形のものを探して撮る。




いいね~


こちらはカワイイ。


天山に咲いてくれて、


ありがとう。


セントウソウもたくさん咲いていた。


よく見ると、美しい色をした蕊がある。


シハイスミレも目立っていた。


そして、バイカイカリソウ。


標高の高い天山では、他の山よりも遅く咲くが、
もう開花していて嬉しかった。


バイカイカリソウが咲くと、


春というより、初夏の雰囲気になってくる。




いつもの場所で、


こういう風景を見ながら、ランチ。


本日の「天山南壁」。


この後、オオキツネノカミソリの葉が生い茂る場所へ。


そこでは、コチャルメルソウがピークを迎えていた。


いいね~




ユリワサビもたくさん咲いていた。


標高の高い天山では、ツクシショウジョウバカマもまだまだ元気。


目を楽しませてくれる。


コガネネコノメソウも咲いていた。


山では新緑が目立ってきたが、




日陰では、雪がまだ残っていた。


雪割りコガネネコノメソウ。




最後に、ナガバノスミレサイシンの咲く場所へ行ってみる。
まだかな……と思っていたが、
もう咲いて待っていてくれた。


嬉しい。




さすがに、葉が長い。(笑)


今日も「一日の王」になれました~
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