8月5日(火)
午前2時起床。
準備をして2時半頃に外に出る。
しかし、外は雨。
しかも、かなり激しく降っている。
風も強い。
標高760mの馬場島で、この風雨。
「剱岳山頂ではもっと大変なことになっているだろう……」
と思ったら、気持ちが萎えた。
このまま雨が降り続けば、
たとえ早月小屋まで登ったとしても、
そこから先は、小屋のおやじさんに止められる。
引き返すしかない。
「さて、どうしたものか……」
玄関先で迷っていると、
時間だけが刻々と過ぎてゆく。
レインウェアを着たり、ザックカバーを装着していると、
馬場島荘のおかみさんが奥から出てこられた。
昨日、
「明日は午前3時に出発します」
と私が言っていたので、
わざわざ起きて見送りにこられたのかもしれない。
「雨ですね〜」
とおかみさん。
「でもね、登山口からずっと樹林帯の中を歩くことになりますから、あまり雨は気になりませんよ」
とアドバイスして下さる。
その言葉で心が決まった。
「とにかく、行けるところまで行ってみます」
と答えていた。
ちょうど午前3時に馬場島荘を出る。
登山口までゆっくり歩いて行く。
「試練と憧れ」の石碑をフラッシュ撮影。
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3:09
登山口を出発。
まずは、ここ馬場島(760m)から剱岳山頂(2999m)まで、
標高差約2200mを登る。
いきなり急登が始まる。
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馬場島荘のおかみさんの言葉通り、
樹林帯が屋根になって、雨が当たらない。
3:24
巨木の横を通過。
暑くなって、レインウェアの上着を脱ぐ。
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3:44
傾斜がゆるやかになり、ベンチがあった。
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松尾平から松尾奥ノ平の間は、平らな道が続く。
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3:57
再び巨木に遭遇。
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4:26
標高1200mを通過。
![]()
4:42
明るくなってきた。
雨も止んだみたい。
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4:53
ヘッドランプをザックに仕舞う。
5:02
標高1400mを通過。
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ゆっくり登って行く。
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5:19
標高1600mを通過。
この標高1600m地点は、
誰もが指摘しているように、オカシイ。
あまりに早く着きすぎる。
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少しずつアルプスらしい雰囲気になってくる。
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ミヤマホツツジがたくさん咲いている。
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梯子や、
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木の根に注意しながら登って行く。
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ゴゼンタチバナを発見。
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5:57
標高1800mを通過。
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私が海抜0メートルから歩いてきた道のりがすべて見渡せる場所があった。
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ハクサンオミナエシ(コキンレイカ)や、
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タカネヤハズハハコが咲いている。
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「山」と書かれた三角点らしき物があった。
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しばし見惚れる。
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マイヅルソウ、
![]()
ミヤマツボスミレがたくさん咲いていた。
![]()
6:51
標高2000mを通過。
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標高2000mを越えると、花が多くなった。
モミジカラマツ、
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アカモノなどが咲いている。
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池塘の傍には、
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イワイチョウや、
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イワカガミがたくさん咲いていた。
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遠くの山に陽が当たっている。
嬉しくなる。
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ハクサンシャクナゲが咲いている地点を過ぎたら、
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早月小屋が見えてきた。
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7:36
早月小屋に到着。
馬場島から4時間半ほどで着いた。
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素晴らしい眺めを楽しみながら、
馬場島荘で作ってもらった弁当(朝食)を食べた。
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早月尾根には水場がないので、
早月小屋で2リットルの水(900円)を買う。
小屋のおやじさんに、
ここから先の状況と、別山尾根の様子を訊く。
「雨が降り出したら、必ず引き返すように……」
というアドバイスをもらい、
7:55
早月小屋を出発。
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歩き出してすぐの所に、
サンカヨウと、
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キヌガサソウが咲いていた。
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大好きなキヌガサソウに逢えて嬉しかった。
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もうすっかりアルプスの風景だ。
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足もとには、
ミヤマキンポウゲや、
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トウヤクリンドウや、
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ツマトリソウなどが咲いている。
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8:31
標高2400mを通過。
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山岳美にウットリとなる。
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ここからも、私の歩いて来た道程を見ることができた。
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ここを登っていく。
険しくなってきた。
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9:13
標高2600mを通過。
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雪渓を渡る。
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早月尾根の怖さは、あまり人に会わないこと。
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ここから滑落したら、誰にも発見されないかもしれない。
早月尾根には、別山尾根とは違った怖さがある。
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この辺りから、高山植物が俄然多くなってきた。
エゾシオガマ、
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キバナノコマノツメ、
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シナノキンバイ、
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ベニバナイチゴ。
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急峻な岩を登っていく。
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タカネマツムシソウ、
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チシマギキョウ、
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ミヤマウスユキソウ、
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タカネヤハズハハコ、
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ミヤマトリカブト、
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クルマユリ、
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ミツバシオガマ、
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ハクサンイチゲ、
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チングルマなど、
もう数えきれないほど咲いている。
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山頂が近づくにつれ、ガスってきたが、
時折ガスが切れて、素晴らしい眺めを見ることができる。
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10:35
カニのハサミを通過。
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その先に、ミヤマオダマキが咲いていた。
![]()
なんて美しいんだろう。
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クサリ場で、大学の山岳部らしきグループが下りてしまうのを待つ。
大きなザックを背負った新入部員らしき数人がモタモタしている。
浮石が多いので、落石の心配のない場所で待機する。
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別山尾根との分岐が見えてきた。
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11:13
剱岳山頂に到着。
馬場島から約8時間で着いた。
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海抜0メートルから登る「剱岳」、達成。
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山頂には別山尾根から登ってきた多くの人がいた。
その中に、私の「山友&ネット友」に似た人が……
![]()
「もしかして、tachiaoiさん?」
と訊くと、
「えっ、タクさん?」
なんとなんと、剱岳山頂で、友人に会ったのです。
「満天の星」というHPを運営しているtachiaoiさん。
長崎の山岳会の皆さんと一緒に登ってきたとか。
天山や多良岳や雲仙普賢岳など佐賀県や長崎県の山ならいざしらず、
剱岳山頂で友人に会えるとは……まさに奇跡。
剱岳も粋な計らいをしてくれる。
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※別山尾根・下山編は、また明日……
午前2時起床。
準備をして2時半頃に外に出る。
しかし、外は雨。
しかも、かなり激しく降っている。
風も強い。
標高760mの馬場島で、この風雨。
「剱岳山頂ではもっと大変なことになっているだろう……」
と思ったら、気持ちが萎えた。
このまま雨が降り続けば、
たとえ早月小屋まで登ったとしても、
そこから先は、小屋のおやじさんに止められる。
引き返すしかない。
「さて、どうしたものか……」
玄関先で迷っていると、
時間だけが刻々と過ぎてゆく。
レインウェアを着たり、ザックカバーを装着していると、
馬場島荘のおかみさんが奥から出てこられた。
昨日、
「明日は午前3時に出発します」
と私が言っていたので、
わざわざ起きて見送りにこられたのかもしれない。
「雨ですね〜」
とおかみさん。
「でもね、登山口からずっと樹林帯の中を歩くことになりますから、あまり雨は気になりませんよ」
とアドバイスして下さる。
その言葉で心が決まった。
「とにかく、行けるところまで行ってみます」
と答えていた。
ちょうど午前3時に馬場島荘を出る。
登山口までゆっくり歩いて行く。
「試練と憧れ」の石碑をフラッシュ撮影。

3:09
登山口を出発。
まずは、ここ馬場島(760m)から剱岳山頂(2999m)まで、
標高差約2200mを登る。
いきなり急登が始まる。


馬場島荘のおかみさんの言葉通り、
樹林帯が屋根になって、雨が当たらない。
3:24
巨木の横を通過。
暑くなって、レインウェアの上着を脱ぐ。

3:44
傾斜がゆるやかになり、ベンチがあった。

松尾平から松尾奥ノ平の間は、平らな道が続く。

3:57
再び巨木に遭遇。

4:26
標高1200mを通過。

4:42
明るくなってきた。
雨も止んだみたい。

4:53
ヘッドランプをザックに仕舞う。
5:02
標高1400mを通過。

ゆっくり登って行く。

5:19
標高1600mを通過。
この標高1600m地点は、
誰もが指摘しているように、オカシイ。
あまりに早く着きすぎる。

少しずつアルプスらしい雰囲気になってくる。

ミヤマホツツジがたくさん咲いている。

梯子や、

木の根に注意しながら登って行く。

ゴゼンタチバナを発見。

5:57
標高1800mを通過。

私が海抜0メートルから歩いてきた道のりがすべて見渡せる場所があった。

ハクサンオミナエシ(コキンレイカ)や、

タカネヤハズハハコが咲いている。

「山」と書かれた三角点らしき物があった。

しばし見惚れる。

マイヅルソウ、

ミヤマツボスミレがたくさん咲いていた。

6:51
標高2000mを通過。

標高2000mを越えると、花が多くなった。
モミジカラマツ、

アカモノなどが咲いている。

池塘の傍には、

イワイチョウや、

イワカガミがたくさん咲いていた。

遠くの山に陽が当たっている。
嬉しくなる。

ハクサンシャクナゲが咲いている地点を過ぎたら、

早月小屋が見えてきた。

7:36
早月小屋に到着。
馬場島から4時間半ほどで着いた。


素晴らしい眺めを楽しみながら、
馬場島荘で作ってもらった弁当(朝食)を食べた。


早月尾根には水場がないので、
早月小屋で2リットルの水(900円)を買う。
小屋のおやじさんに、
ここから先の状況と、別山尾根の様子を訊く。
「雨が降り出したら、必ず引き返すように……」
というアドバイスをもらい、
7:55
早月小屋を出発。

歩き出してすぐの所に、
サンカヨウと、

キヌガサソウが咲いていた。

大好きなキヌガサソウに逢えて嬉しかった。

もうすっかりアルプスの風景だ。

足もとには、
ミヤマキンポウゲや、

トウヤクリンドウや、

ツマトリソウなどが咲いている。

8:31
標高2400mを通過。

山岳美にウットリとなる。

ここからも、私の歩いて来た道程を見ることができた。

ここを登っていく。
険しくなってきた。

9:13
標高2600mを通過。

雪渓を渡る。

早月尾根の怖さは、あまり人に会わないこと。

ここから滑落したら、誰にも発見されないかもしれない。
早月尾根には、別山尾根とは違った怖さがある。

この辺りから、高山植物が俄然多くなってきた。
エゾシオガマ、

キバナノコマノツメ、

シナノキンバイ、

ベニバナイチゴ。

急峻な岩を登っていく。

タカネマツムシソウ、

チシマギキョウ、

ミヤマウスユキソウ、

タカネヤハズハハコ、

ミヤマトリカブト、

クルマユリ、

ミツバシオガマ、

ハクサンイチゲ、

チングルマなど、
もう数えきれないほど咲いている。

山頂が近づくにつれ、ガスってきたが、
時折ガスが切れて、素晴らしい眺めを見ることができる。

10:35
カニのハサミを通過。

その先に、ミヤマオダマキが咲いていた。

なんて美しいんだろう。

クサリ場で、大学の山岳部らしきグループが下りてしまうのを待つ。
大きなザックを背負った新入部員らしき数人がモタモタしている。
浮石が多いので、落石の心配のない場所で待機する。

別山尾根との分岐が見えてきた。

11:13
剱岳山頂に到着。
馬場島から約8時間で着いた。


海抜0メートルから登る「剱岳」、達成。

山頂には別山尾根から登ってきた多くの人がいた。
その中に、私の「山友&ネット友」に似た人が……

「もしかして、tachiaoiさん?」
と訊くと、
「えっ、タクさん?」
なんとなんと、剱岳山頂で、友人に会ったのです。
「満天の星」というHPを運営しているtachiaoiさん。
長崎の山岳会の皆さんと一緒に登ってきたとか。
天山や多良岳や雲仙普賢岳など佐賀県や長崎県の山ならいざしらず、
剱岳山頂で友人に会えるとは……まさに奇跡。
剱岳も粋な計らいをしてくれる。

※別山尾根・下山編は、また明日……