7月17日(水)
もうそろそろ八幡岳のオオキツネノカミソリが咲き始めている頃だと思い、
八幡岳に行ってみることにした。
いつものように八幡岳の中腹にある大平展望所から“蕨野の棚田”を眺める。
(1ヶ月半前の)田植えしたばかりで水が目立っていた棚田は、(6月2日撮影)

いつの間にか緑一色の棚田となっていた。(7月17日撮影)

“池高原”に到着。

いつもの場所パチリ。
八幡岳の山頂部はガスっていて見えない。

“池高原”に来ていつも思うこと。
それは「高原」ということ言葉に対する甘い感傷だ。

幼き日に映画『高原のお嬢さん』(1965年公開)を見て以来、

私にはずっと「高原」に対する憧れがあり、
「高原」という地名にビビッと反応する。
九州にも、「えびの高原」、「飯田高原」、「生駒高原」、「霧島高原」など、
「高原」の付く場所はあるが、(行ったことはあるが)どれも少し遠い。
我が家から比較的近い、
標高1,057mの五家原岳の中腹に広がる「白木峰高原」(長崎県諫早市白木峰町)、
白岳(標高373m)と白岳湖を中心とした「白岳高原」(長崎県佐世保市江迎町)、
大村湾が一望できる「大野原高原」(佐賀県嬉野市嬉野町)
福岡との県境にある「みつせ高原」(佐賀市三瀬村)
“九州の尾瀬”と呼ばれている「樫原湿原」(佐賀県唐津市七山池原)などもあるが、
最近はあまり行かなくなった。
一年を通して定期的に(八幡岳登山の際に)訪れているのが、この“池高原”なのである。
白樺の木も、ペンションや別荘もないし、お嬢さん(若き日の和泉雅子)もいないけれど、
“池高原”に来ると、いつも胸がキュンとなる。
舟木一夫が歌う「高原のお嬢さん」が脳内に流れ出す。(笑)
今日は、“池高原”を起点にして、時計回りに周回するルートを歩きたい。

まず、八幡峠まで下って行く。

車道歩きだが、
コオニユリや、

ウバユリがたくさん咲いていて、飽きない。

特にウバユリは、八幡岳の至る所に咲いている。

この時期、八幡岳は、“オオキツネノカミソリの山”であると同時に、
“ウバユリの山”でもある。

普通、この道からは八幡岳山頂は見えないのだが、
北側の植林帯の木が伐採されており、山頂部を見ることができた。

南側も(雲が多いけれど)眺めが好い。

八幡峠に到着。

ここから登って行く。

時折、陽が差すようになってきた。

(この時期)この道で楽しみなのは、ハグロソウ。

小さくて、

可愛い花だ。

ヤブミョウガも咲いている。

場所によっては群生している。

花は白くて美しい。

川内峠からの道と合流する。

ゆっくり登って行く。

ここは「九州自然歩道」。
古い道標が所々にある。

湿度が高く、汗が噴き出してくる。

セミの抜け殻や、

小さなキノコを見ながら標高を上げていく。

植林帯を抜け、

自然林へ入って行く。

平安時代の武将・鎮西八郎為朝が八幡大菩薩を祭ったといわれる祠の横を通過。

湧き出ている石清水の水音が耳朶に心地好い。

この辺りからオオキツネノカミソリが見られる筈なのであるが……

「あった~」

第一村人ならぬ、第一“オオキツネノカミソリ”発見。

しばらく歩くと、たくさん咲いていた。(でも三分咲き程度)


いいね~

期待した以上に咲いている。


やがて、下部の群生地に到着する。

ここが八幡岳で最も早く咲き出す場所。



登山道の下の方もたくさん咲いている。


ピークは7月下旬から8月上旬なので、
正直、これほど咲いているとは思っていなかった。

嬉しい。
この時期は登山者も少ないので、独り占め状態。
(この日は下山するまで誰にも会わなかった)

ポツポツ咲いているオオキツネノカミソリを楽しみながら、




ゆっくり登って行く。


下部は三分咲き程度だが、上部はまだ一分から二分咲き程度。


満開になるまでには、まだ10日ほど要するだろう。

終わりかけのハンカイソウを見ながら、

山頂部へ出る。

いつものように、左の狭い道を通り、

八幡岳山頂に到着。


山頂からは、唐津湾が彼方に眺められた。


オオキツネノカミソリやハグロソウの花が見られただけで大満足なのであるが、
その他にもいろんな花に出逢うことができたので、少しだけ紹介しよう。
ヒヨドリバナや、

キンミズヒキの花がもう咲いていた。

ヤブランも開花間近。

終盤を迎えていたオオバノトンボソウにも(二株)逢うことができた。

嬉しい。

雨の後だったので、多くのキノコを見ることができた。

そして、この花。

ヒナノウスツボ。

この時期の八幡岳登山は、
オオキツネノカミソリと共に、この花に逢えることも楽しみのひとつ。


小さな花なので、撮るのは難しい。

まだ咲き始めだったので、出逢えてラッキー。

今日も「一日の王」になれました~


