Quantcast
Channel: 一日の王
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1913

登吾留山 ……キンランの咲き乱れる森へ、そしてさらに奥へ……

$
0
0
私にはゴールデンウィークはない。
(そういえば、盆も正月もない)
浮かれ騒ぐ人々を尻目に、
いつも普通に働いている。
そして、決められた私の公休日に休むのみである。

今日は、その公休日。
雨が降ったり止んだりの天気だが、
登吾留山へ行ってきた。
ちょうどこの時期、
その山はキンランが咲き乱れるのだ。

山の入口には、オドリコソウが群生していた。


珍しい花ではないが、私の大好きな花。


オドリコソウの群生地に、カノコソウも咲いていた。
蕾も美しいけれど、


開花した花も美しい。


ヤマブキの花も咲いている。


この花を見ると、北アルプスで見たシナノキンバイを思い出す。


雨が降ったり止んだり。


雨に濡れた花は、一際美しい。






ヤマツツジが咲いていたので近寄ると、


蜘蛛の巣と水玉によるデコレーションがなされていた。


ホウチャクソウの群生地があった。


緑がしたたり落ちてくる。




キンランの森へたどり着いた。


たくさん咲いている。


キンランがこれほどたくさん咲いている森を、私は他に知らない。


雨が降ったり止んだりしているので、
ほとんどのキンランが花を閉じたままだ。


閉じた花も美しい。


ずんずんと分け入っていく。
大きなキンランに出逢った。


しばらく歩くと、もっと大きなキンランに出逢った。
こんなにたくさんの花をつけたキンランもイイけれど、


一輪だけのキンランも素敵だ。


同じところにヒメハギも咲いているが、
やはり目立たない。


もっと奥へ入っていく。


ここまでに、もう100株以上のキンランを見ている。


この森には、どのくらいの数のキンランが咲いているのだろう。


ツインタワーのようなキンランに出逢った。
背が高く、スタイルが良かった。


こちらは、落葉のなかに、ぽつんと咲いていた。
枯葉の中にみずみずしい命がある。


もっともっと奥へと進んでいく。


こんなにたくさん見ているのに、
まったく見飽きるということがない。


花の迷宮に彷徨いこんだよう……


雨が止み、
わずかに日が差し込んでくると、
花が少しずつ開き始めた。


私ひとりしかいない森は、静寂に包まれており、


とても静かだった。


花のひらく音が聞こえるようであった。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1913

Trending Articles